データの重複排除とバックアップの連係強化、シマンテックの製品計画

シマンテックは、データの重複排除技術をクライアントPCなどに適用することで、バックアップやストレージの利用を効率化する製品計画を明らかにした。

» 2009年07月14日 17時11分 公開
[ITmedia]
モーハン氏

 シマンテックは7月14日、データの重複排除やバックアップ製品に関する記者説明会を開き、今後の製品計画を明らかにした。広範なプラットフォームを統合管理できるようにし、企業でのストレージ利用効率の向上を支援するという。

 米Symantec情報管理グループ担当副社長のディーバック・モーハン氏は、景気減速に伴う企業のIT予算の削減やデータ増加に伴うストレージニーズの高まり、仮想化環境の導入拡大といった市場の背景を説明。「少ない予算でストレージをより効率的に使うための仕組みが求められている」と話した。

 同氏は、重複するデータをクライアント側で排除し、バックアップシステムとストレージの連係強化を図ることで、システム環境の複雑性やインフラのリソースを最適化できると説明している。

 製品展開では、すでに提供している大企業向けバックアップ製品「NetBackup 6.5.4」と、2009年後半にリリースする予定の重複データ排除製品「PureDisk 6.6」、中堅・中小企業向けバックアップ製品「Backup Exec 2010」において、機能連係の強化やサポートプラットフォームの拡充などを図る。

 NetBackup 6.5.4では、MicrosoftのWindows Server 2008の全エディションと仮想化プラットフォームであるHyper-Vの正式サポート、Active DirectoryやSharePoint Serverとの連係強化、シマンテックのアーカイブ製品のEnterprise Vaultへの対応を行った。

石井氏

 プロダクトマーケティングマネジャーの石井明氏は、NetBackupやBackup Execに搭載している、バックアップをイメージデータ単位や個別のファイル単位で柔軟に行える独自技術「Granular Recovery」を説明。NetBackup 6.5.4でのサポートプラットフォームの拡充により、同技術の活用が企業のバックアップ業務に伴うコスト削減を推進すると強調した。

 またVMwareとの連係も強化し、大容量データを持つRAW Device Modeの仮想マシンのスナップショットを可能にした。

 PureDisk 6.6では、仮想マシン上で重複するデータを排除できるようにするほか、Backup Exec 2010ではクライアントPCおよびバックアップデータを保管する「メディアサーバ」での重複データ排除を可能にする。また、「OST」というAPIを介してEMCやData Domain、FalconStore、Quantumのバックアップストレージ製品をBackup Execで統合管理できるようにする。

 2010年以降に提供する予定のNetBackupの次世代バージョンでも、クライアントPCおよびメディアサーバでの重複データ排除機能を搭載するという。

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