社員の存在意義とは不景気時代の会社と従業員の関係(3)(2/2 ページ)

» 2009年11月06日 08時00分 公開
[大木豊成,ITmedia]
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自分の評価をしてみる

 わたしたちは、会社勤めをして何年か経つと、部下を持つことになったり、後輩の育成に携わることになります。その部下や後輩を評価しなくてはならないときがきます。

 人を評価するのはとても難しいですが、会社ごとに決められた評価基準に従い、または人事部門や上長と相談しながら評価をしていくことになります。その評価も慣れてくると、だんだんと明快に評価できるようになってくると思います。

 ところが、自分の評価をする機会はなかなかありません。会社によっては半年ごとに目標設定をして、半年後に予定と実績の差異を確認しているところもありますが、あくまでの自己で申告をするだけで、他人を評価する基準で評価しているわけではないことが多いようです。

 自分自身の評価は、他人以上に難しいです。業績のいいときはまだしも、例えば自分が営業担当者で成績が悪いときに、他人を評価するように白黒はっきりつけることには抵抗があるものです。

 わたし自身も、自分の評価をしてみたときには、とても軸がぶれたことを憶えています。部下の評価は、成長したか、業績はどうだったか、の結果で見ているのに、自分の評価となると、「がんばった」といったプロセスを組み込んでしまうのです。

 しかし、この自己評価も何度かやってみると、だんだんできるようになってきます。これを繰り返すことで、自分が出来ていること、成長しているかどうか、今はどのレベルか、といったことが見えてきます。

 これは決して自己否定を目的とするものではありません。自分自身を理解し、これから何を目指すのか、どうすれば会社により貢献できるのか、自分の存在価値を高めることができるのか、を考えるための材料なのです。

会社員の存在価値

 こういうプロセスを経たいま、改めて会社員の存在価値を考えてみましょう。人のいない会社はありません。個人会社でない限り、社員は存在します。会社には社員が必要であるといえるわけです。

 会社は、社員に対して報酬を保証します。法律で、給料をもらえる休暇(有給休暇)も付与されることが決まっています。われわれ社員は、その対価として会社の利益に貢献する義務があります。ですが、こういうふうに堅く考えてしまうとつまらなく思えるのかもしれません。

 同じことでも、ポジティブに考えてみることで、会社と社員がフェアな関係を保ちつつ、お互いの利益と価値を高めていくことが見えてくるのではないでしょうか。居酒屋で不平不満を言わずとも、明るく仕事に取り組めるように思います。

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著者プロフィール:大木豊成(おおき とよしげ) 

大木豊成

Xarts株式会社 常務取締役。米国PMI認定ProjectManagementProfessional取得。シンガポール大学卒業後、数々の事業立ち上げおよび企業立ち上げを経験。ソフトバンク在籍中の経験を「ソフトバンク流『超』速断の仕事術」(ダイヤモンド社)にまとめて出版した。現在は上記企業の他、学校での講師、講演などで奔走する。


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