オープンソースのクラウド基盤「Eucalyptus 1.6.1」

「Amazon Web Service」でされるパブリッククラウドとのAPIも備えたオープンソースのクラウド基盤ソフトウェアの最新版「Eucalyptus 1.6.1」がリリースされた。

» 2009年11月10日 14時31分 公開
[末岡洋子,ITmedia]
SourceForge.JP Magazine

 米Eucalyptus Systemsは米国時間の11月5日、オープンソースのクラウドコンピューティングソフトウェア「Eucalyptus 1.6.1」を発表した。Eucalyptus Systemsとしてリリースする初のアップグレードとなる。性能を強化し、実装の柔軟性などが改善された。

 Eucalyptusは、カリフォルニア州立大学サンタ・バーバラ校コンピュータ科学学部で開発が進められてきたオープンソースのクラウドソフトウェア。自社ITインフラを利用してオンプレミスのクラウドを構築でき、米Amazonの「Amazon Web Service(AWS)」で提供するパブリッククラウドとのAPIもある。英Canonicalが「Ubuntu」で採用しているソフトウェアでもある。Eucalyptus Systemsは、Eucalyptusを扱うベンチャーで、今年4月に事業活動を開始した。

 最新版は、Eucalyptus Systemsとしてリリースする初のアップグレードとなる。実装の柔軟性、プラットフォームそのものの性能の2点にフォーカスして機能を強化したという。

 Eucalyptusはマルチクラスタに対応し、複数のクラスタ上の演算能力やネットワーク、ストレージなどのリソースを管理できる。IT管理者はEucalyptusの各種コンポーネントをさまざまな物理マシンにインストールすることで、インフラの拡張に合わせてクラウドを容易に拡張できるという。インストールプロセスそのものも簡素化/自動化されており、あらゆる既存ITインフラ上でEucalyptusのクラウドをシームレスにオーバーレイできるという。

 また、モニタリング機能も強化され、「Nagios」「Ganglia」などのオープンソースツールを利用して、クラウド全体や特定コンポーネントに関する情報を把握できるという。

 最新版はLinux(Ubuntu、Ret Hat Enterprise Linux、CentOS、SUSE Linux Enterprise Server、OpenSUSE、Debian GNU/Linux)に対応、同社Webサイトからダウンロードできる。

 Eucalyptus Systemsは同日、サポートがついた商用版「Eucalyptus Enterprise Edition(EE)」も発表している。

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