MySQLをめぐり、米国と欧州が対立?

米Oracleが4月に発表した米Sun買収計画に対し、欧州委員会がOracleに「異議告知書」を送付した。MySQLの将来に懸念を示したものだが、Oracleはこれに反論している。

» 2009年11月12日 14時50分 公開
[末岡洋子,SourceForge.JP Magazine]
SourceForge.JP Magazine

 米Oracleが4月に発表した米Sun Microsystems買収計画に対し、詳細調査を行っている欧州委員会(EC)がOracleに「異議告知書」を送付した。Oracleは11月9日付けで声明文を発表し、「欧州はオープンソースを理解していない」と反論、米司法省も同日、2社の取引は競争の観点から見て問題はないとする声明文を発表した。

 ECは、Sunが持つオープンソースデータベース「MySQL」の将来に懸念を示している。データベース市場で最大手のOracleがオープンソースのデータベース最大手のMySQLを傘下に入れることで、市場の競争が弱まるというのがECの見解だ。

 一方ECの異議告知書に対しOracleは、MySQLはオープンソースであり、誰にもコントロールできない、データベース市場では8社が競合しており、8社のうちの2社が合併することに反対する法的根拠はない、などと反論、ECはデータベースの競合とオープンソースの2点で深い誤解をしている、と抗議した。Oracleは、「ECの異議告知書に強く反対する」と記している。

 8月にすでにゴーサインを出していた米司法省もOralceを支持、ECの調査を受けて再度取引内容をレビューしたが競合を阻害する性質のものではない、としている。

 この問題については、オープンソース界でも意見が分かれており、MySQLのオリジナルの作者、マイケル・ウィデニウス(Michael “Monty” Widenius)氏などは公に反対を表明している。ウィデニウス氏は自身のブログで、「MySQLを殺す最も簡単な方法は、ライセンスを提供しないか、ライセンス価格を上げること」と解説している。一方、MySQLでCEOを務めていたマーテン・ミコス氏は取引に賛成するようECに助言している。

 ECは2010年1月に正式な見解を示すことになっている。

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