Oracle、「欧州委員会の承認を得るためMySQLで妥協」との報道を否定(1/2 ページ)

Oracleが、欧州委員会からSun買収の承認を獲得するために争点となっているMySQL部門を隔離するという報道を否定した。12月10日に開催予定の口頭審理に注目が集まる。

» 2009年12月08日 11時28分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK

 米New York Postは12月4日付の記事で、米Oracleは米Sun Microsystemsの買収を欧州委員会に認可してもらうために、MySQLの扱いをめぐって同委員会と妥協する用意があると報じたが、Oracleでは報道の内容を否定している。

 Postの記者ジョッシュ・コスマン氏は、「Oracleのリーダーが妥協」と題された記事で「2つの情報筋によると、Oracleの経営者ラリー・エリソン氏は、同社が70億ドル余りでSun Microsystemsを買収することに反対する欧州の独禁法当局と戦うという姿勢を後退させ、争点となっているSunの1部門を隔離する用意があるようだ」と述べている。

 PostはOracleから直接反論を受けていない。Oracleの広報担当者カレン・ティルマン氏は米eWEEKに対し「これはまったくのデタラメだ。Postがどこでそんな情報を手に入れたのか、皆目見当がつかない」と話している。

 エリソン氏はこれまで何度か、「欧州委員会がこの買収を認可すると確信しており、MySQLを所有することは利害の抵触に当たらず、MySQLがOracleのプロプライエタリデータベースと競合することはない」と述べてきた。米司法省は今年8月、74億ドルの買収提案を承認した

 Oracleは、Sunの買収に欧州委員会が反対している問題をめぐる口頭審理の開催要求を提出期限最終日の12月4日に正式に提出した。

 Oracle、そして派手な言動で知られる同社創業者のラリー・エリソンCEOのこれまで姿勢を考えれば、こういった規制当局からの圧力に素直に応じるとは考えにくい。例えば、ライバル企業のPeopleSoftの買収では、司法省は当初、独禁法に違反するとして買収阻止に動いたが、Oracleは2年近くにわたって(2003〜2005年)買収の意思を貫いた。結局、連邦裁判所は司法省の訴えを却下し、買収を認可した。

 しかしコスマン氏がeWEEKに語ったところによると、2つの情報源はいずれも信頼できるもので、1つは銀行関係者、もう1つは“この取引の関係者”からの情報だという。「情報源が信頼できなければ、こんな記事は書かない」とコスマン氏は語る。

 この記事に関してeWEEKの別の情報筋は、Oracleが交渉に応じる用意があること、もしくはOracleまたはSunの株価を操作する可能性があることを欧州委員会に間接的に伝えるために、Postに情報が流されたのではないかと指摘した。Sunの株価は、12月4日のNASDAQでの取引終了2時間前、2.7%高の8.45ドルだった。

 Oracleの12月4日の株価は約22.64ドルと変化はなかった。同社は4月20日、Sunを1株当たり9.50ドルで買収することに合意した。

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