仮想化対応とクラウド活用を推進、ソニックウォールが戦略説明

ソニックウォールが2010年の事業戦略を説明し、VMware環境向けのセキュリティソフトや大規模向けアプライアンスなどを発表した。

» 2010年03月10日 15時15分 公開
[國谷武史,ITmedia]
マービン・ブラフ副社長

 ソニックウォールは3月10日、2010年の事業戦略を発表し、米SonicWALLのワールドワイドセールス担当副社長のマービン・ブラフ氏が新製品や日本市場向けの取り組みを紹介した。

 まず2009年の事業概況について、ブラフ氏は全四半期の業績が2008年を上回ったこと、3600万ドルの営業キャッシュフローを創出したことを明らかにした。同氏は、「事業の継続と発展に必要な財務基盤をより強固なものにでき、2010年も積極的な投資を続けていく」と表明した。

 2010年の市場展望では、企業で利用されるデバイスの多様化やソーシャルネットワーキングサービスの活用、仮想化やクラウドの技術、インターネット経由の脅威の増加が焦点になるという。企業側では、ネットワークの広帯域化やパフォーマンス、可用性の向上などが志向され、セキュリティ面ではこうしたIT基盤の進化に併せた対策が重要になるとしている。

 同社はこうした変化に対応するため、約150万のユーザー企業から提供される脅威情報をいち早く収集、分析して製品に反映するクラウド技術を利用した脅威対策ネットワークの「SonicGRID」や、詳細なパケットの解析技術、アプリケーション単位でのトラフィック監視技術などを推進する。

アプリケーション制御のイメージ

 ブラフ氏は、「1日当たり350万件以上の不正アクセスを遮断し、5億件以上のインスタントメッセージやファイル共有ソフトの通信を監視しており、われわれのセキュリティ対策基盤が企業ネットワークの適切な利用の実現に貢献できるだろう」と強調した。

 2010年の製品戦略では、米RSAカンファレンスで発表したVMware環境向けのソフトウェアソリューションや、大規模環境向けセキュリティアプライアンス「NSA E8500」などを新たに展開する。VMware環境向けのソフトウェアソリューションは、同社のセキュリティアプライアンスで提供する機能を仮想化環境用に最適化したもので、事前に定義された設定などを利用することで、容易にインストールでき、迅速に運用を始められるのが特徴だという。

 また、NSA E8500は、1100種以上のアプリケーションの監視・制御や容易な導入展開を特徴にしており、スループットはアプリケーション制御で2Gbps、IPS(不正侵入防御)で3.5Gbps、ステートフルファイアウォールで8Gbpsを実現している。このほか、2009年12月に発表した大規模企業やサービスプロバイダー向け集中管理用アプライアンス「UMA EM5000」などにも注力する。

NSA E8500の概要

 日本市場向け施策では、パートナー製品との検証や品質向上に向けた技術面での投資を強化するほか、パートナー向けプログラムの拡充などを推進する。3月にはNECネッツエスアイとも新たにパートナー契約を結んでおり、日本市場での業績拡大を見込んでいる。

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