ソニックウォール、大企業向けUTM市場へ参入表明

ソニックウォールは、マクニカネットワークスと新たに提携し大企業向けに統合脅威管理(UTM)製品を展開すると表明した。

» 2009年10月07日 15時16分 公開
[國谷武史,ITmedia]
マデイロス氏

 ソニックウォールは10月7日、マクニカネットワークスと新たに代理店契約を結び、大企業向けに統合脅威管理(UTM)製品を展開すると発表した。販売およびサポートをマクニカネットワークスが提供する。

 同社はこれまで主に中小企業へUTM製品を展開してきた。米Sonicwallのマッド・マデイロス社長兼CEOは大企業向け市場への参入理由について、日本市場で2000年から出荷するUTMアプライアンスが累計6万台を超えたこと、また、10Gbpsクラスのスループットを視野に入れたハイエンド向け技術の確立、製品の供給およびサポート体制の構築などを挙げた。

 新たに提携したマクニカネットワークスは、大企業顧客や官公庁、教育機関、データセンターなど1000人以上の組織を中心にソニックウォール製品を展開する。既存の代理店各社とは従来の関係を維持しつつ、大企業への展開も検討していく。

 マデイロス氏によれば、大企業向けには欧米市場を中心にハイエンド〜ミッドレンジクラスの製品となる「E-Class」シリーズのアプライアンスや、ソフトベースのUTM機能などを2007年から展開する。2008年会計年度における売上比率は大企業が40%、中小企業が60%だという。

大企業向け市場への進出で注目する分野

 「われわれは大規模組織での運用にも耐える製品の研究、開発に注力しており、売り上げの20%をこの分野に投資している。アプライアンスやユーザーに最適なハードと組み合わせることのできるソフト、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)での展開など、いかなるユーザーニーズにも対応できる製品を提供する」(同氏)

 他社に対する優位性では、すべての通信内容を解析してセキュリティリスクの高いトラフィックをブロックする独自の「Deep Packet Inspection」技術を例に挙げた。「ユーザー規模の大きな環境では、業務アプリケーションなどの必要な通信とコンシューマー向けサービスなどの業務に関係のない通信が大量に混在している。同技術を利用することでポリシーに応じた適切な通信の利用とセキュリティ対策を実現できる」と同氏は説明している。

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