日本オラクルは、ファイルを保護して管理できるようにする情報漏えい対策製品「Oracle IRM」を発表した。
日本オラクルは3月30日、作成したファイルに暗号化やアクセス制限を適用して、管理できるようにする情報漏えい対策製品「Oracle Information Rights Management」を発表した。16日から出荷している。
同製品は、クライアントにインストールするソフトとサーバ用の管理ソフトが連携して、サーバで設定したセキュリティルールをクライアントに配布する仕組みで動作するもの。ユーザーがクライアント上で指定したファイルを暗号化してアクセス権限を付与する。サーバ側ではユーザー単位で権限の設定や管理ができる。ファイルを誰が、いつ、どのデバイスで利用したのかを監査ログとして収集する仕組みを持つ。
保護できるファイルの種類は、Microsoft OfficeやPDF、画像、テキスト、電子メールで、今後はCADやOpen Officeなどにも拡張する予定。ファイルの閲覧や編集、印刷、転送といった操作について20種類以上の制限を設定できるとしている。
ファイルは、ユーザーが右クリックから指定したり、保護用の共有フォルダにファイルをドラック&ドロップしたりすることで保護される。Web APIも多数用意しているといい、APIを利用してWeb型システムからダウンロードするファイルに保護を自動的に適用する。クライアントとサーバ間では指定した期間ごとに権限の有効性を確認しており、有効期限内であればクライアントマシンがオフライン環境でも機能する。
このほか、ファイルの保護ルールを守らないといったユーザーの権限を管理者がはく奪できる機能もある。パートナーなど外部の関係者とファイルを共有する場合は、外部関係者用のクライアントライセンスを付与し、管理用サーバをDMZに設置して外部関係者がインターネット経由でサーバにアクセスする仕組みにすることで、利用できるようになる。
ライセンス価格は1ユーザー当たり7600円で、外部関係者用ライセンスは1100円。同社Fusion Middlewareビジネス推進本部の上村靜史シニアマネジャーは、製品提供について「顧客からファイル保護製品の要望が強くあり、先に出荷を始めているが製造や医療分野からの引き合いが目立つ。従業員にファイルの保護を習慣付け、1カ月程度で運用を定着できるのが特徴」と話している。
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