富士通はクラウド環境のプラットフォームとなるソフトウェア製品群を発表。IBMに続いて2社目、そして国内ベンダーとしては最大のラインアップだと認識しているという。
富士通は4月14日、企業がプライベートクラウド環境を構築するに当たり必要となるソフトウェア製品群を販売開始すると発表した。
新製品は、開発環境や業務システムを“業務サービス”として提供するためのサービスカタログ管理を果たす「Systemwalker Service Catalog Manager V14g」、OSやミドルウェア、アプリケーションなどをユーザーの要求に応じ自動配備する「Systemwalker Software Configuration Manager V14g」、そして従来は手順書に沿って人手で行ってきた運用業務を自動化する「Systemwalker Runbook Automation V14g」と、仮想化されたサーバ、ストレージ、ネットワークといったリソースの可視化と一元管理を担う「ServerView Resource Orchestrator」となる。なお既存のデータソースとクラウド環境を、SOA視点で連携させる「Interstage Information Integrator」は、機能強化と位置付けられる。
これらの製品は、富士通の「沼津ソフトウェア開発クラウドセンター」に適用される。これまで開発環境の構築には、ハードウェアを調達し、OSやアプリケーションをセットアップするという手間が掛かっていたが、クラウド化された大規模なリソースプールを、各開発者が求める仕様に応じて提供する(ウェブインタフェース上でCPUやメモリ、OSなどを選ぶだけで仮想サーバが割り当てられる)ことで、構築に要する時間は、従来の約6時間から、約10分に短縮されるという。また同センターの運用において、年間約7億円のコスト削減と、約1340トンのCO2排出量削減を見込む。
富士通の執行役員常務、山中明 ソフトウェアビジネスグループ長は「クラウドを支えるソフトウェアプラットフォームを、ここまでの規模で提供するのは、IBMに続き富士通が2番目だ。とはいえ全てを富士通製品だけでカバーするのではなく、分野によっては他社のソリューションを組み合わせて提供し、同時にユーザーの“資産継承”も重視しながらSIを進める。ユーザーの要望を受け止めながらのSIについては、外資ベンダーに対し一日の長があると自負している。“スマート”とはいえないかもしれないが、実直にやっていく」と話す。クラウドの技術に通じるとともに、ユーザーの立場になってSIできる“クラウドアーキテクト”を、2009年12月時点の100人体制から、700人体制に拡大するという。
各製品の価格は以下のとおり。Interstage Information Integrator V10.1は2010年7月末、それ以外の製品は2010年6月末の出荷を予定している。
製品名 | 税別価格 |
---|---|
Systemwalker Service Catalog Manager V14g | 14万5000円〜 |
Systemwalker Software Configuration Manager V14g | 10万円〜 |
Systemwalker Runbook Automation V14g | 15万円〜 |
ServerView Resource Orchestrator V2.2 | 20万円〜 |
Interstage Information Integrator V10.1 | 150万円〜 |
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