制御システムのセキュリティに関する資料、IPAとJPCERT/CCが公開

重要インフラで利用される制御システムのセキュリティに関する調査報告書をIPAとJPCERT/CCがそれぞれ公開した。

» 2010年05月31日 18時11分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 情報処理推進機構(IPA)とJPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は5月31日、エネルギーや交通といった社会インフラなどで利用される制御システムのセキュリティに関する資料をそれぞれ公開した。

 IPAが公開した「制御システムセキュリティの推進施策に関する調査報告書」(PDF資料)は、制御システムの脆弱性の低減やセキュリティ対策の向上を目的に、欧米での実例と日本の取り組み状況を取りまとめた。提言として、「セキュリティ対策の普及・啓発活動の一層の推進」「インシデント情報データベースの構築・整備」「国際認証への対応」「新技術や基幹産業に係るセキュリティ対応の拡大」「アジア地域での情報共有の推進」の5つを盛り込んでいる。

 JPCERT/CCは、制御システムにおけるパッチ管理方法を紹介する「グッド・プラクティス・ガイド パッチ管理」(PDF資料)と、制御システムに関するセキュリティ文化の醸成を支援する「制御システム環境におけるサイバーセキュリティ文化の支援を目的とした運用セキュリティ(OPSEC)の使用」(PDF資料)の2点を公開した。

 「グッド・プラクティス・ガイド パッチ管理」は、英NISCCが作成した資料を翻訳したもの。システムにパッチを正しく適用するための4段階の手順と、パッチ適用計画の有効性を測定するための指標について説明している。

 「制御システム環境におけるサイバーセキュリティ文化の支援を目的とした運用セキュリティ(OPSEC)の使用」は、米アイダホ国立研究所が作成した資料を翻訳したもの。制御システムにおけるセキュリティ管理者やセキュリティ専門家を対象に、制御システムと産業ネットワークのサイバーセキュリティにおける運用セキュリティのポイントを解説し、セキュリティ文化の形成を醸成させる方法を提示している。

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