MicrosoftのバルマーCEOはWindowsタブレットを死にものぐるいで売るつもりだが、「PC用OSであるWindows 7はタブレットには肥大化し過ぎている」点をアナリストは懸念している。
Microsoftが新たな市場に参入するとき、どの市場であろうと、他社を駆逐する脅威となることを疑う人は誰もいない。
だが、MicrosoftがWindows 7以外のOSを搭載したタブレットコンピュータを作るまでは、同社がタブレット市場でAppleとGoogleに対抗するチャンスがあると進んで考える人はほとんどいないようだ。
Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは7月29日のアナリスト向け説明会で、Microsoftはタブレットを作るための知的財産を多数保有していると発言してニュースになった。
「当社はたくさんの知的財産を保有し、この分野でたくさんの優れたソフトウェアを有志、インクやタッチやあらゆるものに取り組んできた。それを形にしなくてはならない。Netbookでやったように、Windows 7スレートを実現しなくてはならない」
だが一部の業界関係者は、Microsoftがタッチインタフェースに適した軽快なOSを開発する代わりに、Windows 7を搭載したタッチタブレットを推進し続けているのは、失敗へ向かう道だと確信している。
実際、AppleのiPadはiPhone OSを改造したバージョンを搭載している。GoogleのAndroidプラットフォームは初めからモバイルOSとして設計され、成長市場で60機種を超えるスマートフォンに採用されている。
カナダのグラフィックデザイン専門家ハーベイ・ルービン氏は、1月のConsumer Electronics ShowでWindows 7タブレットの試作機を披露した大手PCメーカーの多くは、開発をやめていると指摘する。
ほとんどのPCメーカーはその後、方針を変えてAndroidに乗り換えている。Hewlett-Packard(HP)は、長年のパートナーであるMicrosoftを懐柔するためにWindows 7タブレットを用意していた一方で、webOSをタブレットに使うためにPalmを買収した。
「Microsoftの経営陣はまだ光明を見いだしていない。彼らは断固としてWindows 7のタッチタブレットを推し続けている」とルービン氏は語った。
「Microsoftには確かにApple、Google、Palmなど他社がやってきたことをやるだけの資金があるが、この次世代パーソナルコンピュータのためのOSを作る取り組みをまったくしていない」
IMS Researchのアナリスト、ゲリー・シュー氏は、Microsoftのタブレット市場でのチャンスについて悲観的に見ていると語る。ルービン氏と同様に、シュー氏はPCメーカーがいずれWindowsから離れるかもしれないと考えている。今のWindows 7はタブレットのフォームファクターに載せるには肥大化し過ぎているからだという。
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