早くも終えんを迎えた「Here You Have」

先週末、「Here You Have」などの件名のメールを大量に送信して、感染先を広げようとするワームが報告された。しかし、大規模な被害は現時点では発生していないようだ。

» 2010年09月13日 12時13分 公開
[Sean Sullivan,エフセキュア]

 「Here You Have」と呼ばれている電子メールについて、メディアから質問を受けた。

 この名前は、同ワームにより使用されるメールサブジェクトに由来している。特別なところはなく、受信者がメール内のリンクをクリックする必要のある、ありふれたワームにすぎない。同リンクはおそらく、ドキュメントをオープンするか、ビデオをオープンするものだが、実際は「PDF_Document21_025542010_pdf.scr」といった名の偽の実行ファイルだ。

 同ワームがリンクを使用しているのは、スクリーンセーバ(.scr)ファイルが添付ファイルとして長くブロックされてきたためだ。F-Secureのアンチウイルスは、この「Here You Have」メールが使用する以前から、この脅威を検出している。われわれはこれを「Gen:Trojan.Heur.rm0@fnBStPoi」として検出している。

 リンクが接続しようとするファイルは、かなり素早くオフラインにされたので、朝が早過ぎて、誰も罠に掛けることができなかった欧州では広まらなかった。

 米国では、幾つかの大企業が自社のシステムに同ワームが侵入したことに気づいた。

 伝えられるところによれば、メールフィルタリングシステムが出入りしようとする脅威をとらえたため、「企業A」から「企業B」へと広がることはなかった。しかし組織内では、実行ファイルがダウンロードされ、実行された場合、同ワームはWebブラウザのパスワードを盗み、次に連絡先を介して広がろうとした。内部メールフィルタリングは一般的ではなく、ワームが使用するネットワーク共有コンポーネントもあるため、顕著な拡散が見られた企業もあった。

 メールワームはかなりの間「流行の先端」ではなかった。アンチウイルスのベンダーが素早く検出し、ブロックするためであり、このようなワームをフィルタリングするのに、アンチスパム技術がかなり効果的だからだ。しかし脅威が流行していないからといって、成功事例が現れないとは限らない。

 メールを介して届くリンクを、安易にクリックしないこと。例えあなたが信頼している人から送られたものであっても。

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