15人招待のつもりが2万人――ソーシャルメディアの恐怖オルタナブログ通信(3/4 ページ)

» 2010年10月01日 16時30分 公開
[森川拓男,ITmedia]

一瞬で拡散する情報にご用心!

 イギリスの14歳の女の子が、誕生日のお祝いに15人の友人を呼ぶためFacebook上でイベントを作成した。(中略)なんと9000人もが、それでもパーティーに来るといっているらしい。

 誕生日パーティーに来てくれるのは15人でいいのに、2万人なんて...の怖い話:佐川明美の「シアトルより愛を込めて」


 SNSは「見ている人は限られるだろう」と考えてしまうせいか、個人情報などが垂れ流しになりやすい。しかしこれが元で、とんでもないことが英国で起きているという。

 佐川明美氏「佐川明美の「シアトルより愛を込めて」」の誕生日パーティーに来てくれるのは15人でいいのに、2万人なんて...の怖い話によると、英国の少女がFacebook上でイベントを作成した。15人の友人を呼ぶためのものだったが、「誰でもRSVP(返事)できる」というチェックボックスをオフにせずに登録してしまったために、大変な事態に発展した。何と「瞬く間に、2万1000人からRSVPが返ってきた」というのだ。

 驚いた少女の母親がイベントを削除したが、1度ネットに流れた情報を完全に消し去ることは難しい。情報のコピーが出まわり、今でも9000人がパーティーに来ると言っているという。もし本当に9000人の誕生日パーティー出席者が押し掛けてきたら――考えただけでぞっとする話ではないか。

 英国の別の街では、15歳の少女がFacebookでイベント登録をしたところ、50人以上が押し掛けて家を荒らしていったという実害が出ているのだ。佐川氏も言うように、いくらSNSと言えども、公開範囲などを確認した上で、情報をアップするように心掛けたい。

最新ハイテク泥棒事情

 Twitterなどはオープンな状態で使われています。自分では身近な端末で「何気ないことをつぶやいた」つもりでも、何気ないことの集積が情報となっていくのです。

 Facebookの書き込みから情報を入手しTwitterで相手の行動を読む「最近の泥棒」はハイテクだ!:新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」


 今度は別の意味でこわい話を紹介したい。

 斉藤徹氏「In the looop」のTwitterがついに1000万人超え。2010年8月度最新ニールセン調査で紹介されたように、Twitterユーザーが増え続けている。

 その中で注意したいのが、新倉茂彦氏「新倉茂彦の情報セキュリティAtoZ」のFacebookの書き込みから情報を入手しTwitterで相手の行動を読む「最近の泥棒」はハイテクだ!で指摘された点だ。FacebookやTwitterなどを細かくチェックされて、ネット空き巣なるものの被害に遭うケースがあるというのだ。

 場所などが特定できるツイートをしたり、写真や動画を投稿したりする。個々の情報はそれだけではあまり意味をなさないが、複数の情報を組み合わせることで、重要な意味を持つ場合もある。さらに、iPhoneなどで撮影した写真にGPSによる位置情報が記録されていた場合――新倉氏も指摘するように、「留守中にモノが盗まれるのも困ったことですが、強姦や誘拐などを目的にした犯罪となると在宅時や行動するルート上も危なくなって」くるのだ。

 また、これとあわせて、ソーシャルメディアで悩みを暴露するって、自分でエサまいてハトに囲まれるようなものも読んでほしい。悩みを打ち明けるのはいいが、「見知らぬ相手」であった場合はどうだろうか。核心に迫る秘密まで自ら暴露してしまう可能性もある。

 もしこれらの情報をある特定の意図を持った人間が入手したら、どうなるだろうか。SNSに書きこむ前に、考えてほしい。

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