インテリジェンスで不況を克服する米先進企業、Teradataは「データのソーシャル化」を提案Teradata PARTNERS 2010 Report(3/3 ページ)

» 2010年10月26日 09時38分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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Teradataのチーフマーケティングオフィサー、マクドナルド氏

 「20億人がインターネットにアクセスし、5億人がFacebookでつながっている。1日のつぶやき数は1億に迫ろうとしている。IDCの予測では、2010年に世界で生成されるデジタル情報は1.2ゼタバイトに達する」と話すのは、Teradataでチーフマーケティングオフィサーを務めるダリル・マクドナルド氏だ。

 同社の社名の由来でもあるterabyteの1000倍がpetabyte、Oracleがアプライアンスマシンに命名したexabyteは、このpetabyteの1000倍。さらにその1000倍がzettabyte……。気が遠くなりそうだが、デジタル情報のツナミはすぐそこまで押し寄せてきている。

 マクドナルド氏はオープニングセッションで彼のほとんどの時間を費やし、爆発的に増え続けるデータ、いわゆる「Big Data」について取り上げ、企業が将来成功するためには「データのソーシャル化」が極めて重要になってくるとした。

 データのソーシャル化とは、一言で表現すれば、「従来型データと非従来型を統合し、自社の市場におけるより完全な立ち位置を描き出す」ことだ。RFIDや各種センサーが生みだすデータ、ブログやソーシャルネットワークの情報が非従来型データ、つまりBig Dataの代表例となる。これまでの処理の仕方では追いつかないが、それらを無視し続ければ、企業は致命傷を負いかねない。

 マクドナルド氏は「89%が商品やサービスの悪い体験をインターネットでしゃべり、78%が友人などの口コミを信じる」と話し、900万人以上が視聴しているYouTubeの人気ビデオ「United Breaks Guitars」をステージで再生し、会場を沸かせた。

 もちろん、こうしたBig DataをTeradataのような従来から社内にあるデータウェアハウスに集約するわけにはいかない。膨大な量もさることながら、テキストのような構造化されていないデータでもあり、別の手段が必要となる。分散並列処理のためのMapReduceフレームワークや、そのためのプラットフォームであるHadoopが注目されているのはそのためだ。Teradataは今週、顧客がBig DataとTeradataのインテリジェンスを組み合わせることができるようにHadoop専業ベンダーの米ClouderaやBig Data解析ツールベンダーの米Karmaspheresとの提携を発表した。

 「Big Dataをあなたの会社でどう生かせるかについて考え、変化の触媒になってほしい」とマクドナルド氏は参加者に訴えた。

 なお、Teradataでは10月6日、「The Socialization of Data」と題するサイトを立ち上げている。ソーシャルメディアから得られるインサイト(洞察)を顧客企業が生かせるようにすることが狙いだという。

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