最大のサプライズはAndroid躍進 2010年のIT業界トレンド(1/2 ページ)

「1年前は誰も予想していなかった」というAndroidの急成長、そして進むクラウドへの移行、iPadのようなコンシューマー製品のビジネスの場への進出――2010年にIT業界に起きた重要な動きを振り返る。

» 2010年12月01日 08時10分 公開
[Wayne Rash,eWEEK]
eWEEK

 2010年代の始まりに、世界は不況のどん底で経済は凍り付いていた。テクノロジー企業は沈まないようにともがき、ITビジネスは供給過剰と需要不足に直面した。だが東海岸が雪解けを迎えているのとともに、前年に動き出した製品や技術が今、不況を振り払って花開こうとしているところだ。

 おそらく、2010年最大のサプライズはAndroidだろう。「今年最大のニュースは、スマートフォン市場でGoogleのAndroidのシェアが爆発的に伸びたことだ」とeWEEKの西海岸のマネージング・エディター、ジョン・パラットは言う。「2009年後半のほぼスタンディングスタートの状態から、2010年第3四半期にはシェア19%まで行った」

 AndroidはLinuxとJavaを基盤に活用し、主にクラウドをベースとすることで知られている。Androidの中核アプリの多くは、Googleのサーバへの高速接続に依存したクラウドアプリだ。

 Androidの劇的な成長は、一部はITが一般消費者向けになっているという大きな動きに関連している。Androidデバイスの普及拡大に加え、iPad、iPhoneなどの個人向けデバイスは企業のIT部門にとって課題を生み出している。IT部門はこれらのデバイスをサポートしつつ、企業のセキュリティを守らねばならない。

 「Gartnerは、今年スマートフォンは96%伸びたとしている」とeWEEKでワイヤレス分野を担当するシニアライター、ミシェル・メイストは語る。「価格が下落している。それにより携帯キャリア各社は次世代ネットワーク立ち上げを迫られている」

 Androidの台頭が今年の大事件だったという点についてはメイストも同意見だ。「iPhoneも(BlackBerryの)RIMも飛び越えた。シェアは25〜26%に高まった。1年前は誰も予想していなかったことだ。特にこの不況の中で、これほど早くここまで伸びたのは興味深い」

 メイストは、ワイヤレス業界があらゆる分野で好調に伸びていたことも指摘している。スマートフォンに加えて、タブレットも同様に利用が急増したとしている。

 「皆がAppleに後れを取っている」と彼女は言う。「わたしは懐疑的だ。タブレットに巨大なニーズがあるという確信はない。人々が実際にタブレットで何をやっているかも分からない」

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