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ビジネス・ブログメディア「ITmedia オルタナティブ・ブログ」では、約250人のブロガーによって日々、ITにまつわる時事情報などが発信されている。その中から今回は、「おせち騒動」「2011年予測」「電子書籍」「SNS」「Facebook」を紹介しよう。

» 2011年01月14日 16時54分 公開
[森川拓男,ITmedia]

おせち騒動から見えたこと

 昨年火がつき、飛ぶ鳥を落とす勢いとなっているクーポンサイトですが、年初から早々に騒ぎになっているようです。騒ぎの内容については、調べるといろいろ出てくると思いますのでここでは細かく触れませんが、改めてこの手の商売の「弱点」が露呈した形です。

 2011年型消費スタイルで一体誰が笑う?:中矢徹の"Access Best Ambience"


 年明け早々、食品のネット販売にまつわるトラブルがニュースになった。北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」のおせちを楽しみにしている人達をだますなんて最低の中の最低の人間がやることだと思う。などで取り上げられた、“おせち騒動”だ。筆者は実際に購入したわけではないが、仮に北添氏が引用したようなひどい状態のものが届けられたとすれば、憤慨しただろう。

 だが、佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の昭和世代なら雑誌の通販とかで失敗談何個かありますよねwにもあるように、実物を見られない通信販売では、この種のトラブルは昔からあった。今回大きな問題になったのは、ネット通販だったこと、そして共同購入サイトを利用した値引き販売だったことだろう。

 ネットでは風評が一気に広がる。これに佐々木氏がおせちの遅配よりもその後の対応が問題だったと思われる件で触れたような事後処理の拙さも加わり、非難の連鎖に拍車をかけた。大切なのは、中矢徹氏「中矢徹の"Access Best Ambience"」の2011年型消費スタイルで一体誰が笑う?でも指摘された、「如何に『大人』の対応ができるか」だ。岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」のおせち料理通販のトラブルに見るブランドの信用力で「その評判が広くネット上でも流れたことによって、ある意味取り返しが付かない話になってしまっている」と書かれた通りだ。

 また、中矢氏が言うようにこの件が尾を引いて、「クーポンサイトは泣いても笑っても今年が正念場」となる可能性もある。山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」の(仮定の話)お節事件で得られた収益が隠匿・散逸していたら取り戻せるだろうかで触れられているが、「クーポン系フラマサイトではおせち料理事件以前にも、計画倒産か? といわれた事件」があった。今回の件がそうだとは言わないが、サービス全体の信用に関わるのは間違いないだろう。仕組み自体はこれから伸びていく可能性があるだけに、注目したいところだ。

 ただし、大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」の僕がグルーポン(および類似サービス)を使わないシンプルな理由のように、そもそもこの手のサービスは利用しない、という人もいることは事実。確かに、この手の共同購入型サイトでは、「80%オフしてでも客を集めたいお店だとすると、知名度もないのですから、(オフをやめれば)他に集める手段が無くなってしまいます。すると、また80%オフをやるしかない、というスパイラルに落ち込むのではないんだろうか」と思われても当然だ。大手の飲食店でも値引きすることはあるが、期間限定にしたりして、長期間続けるわけではない。しかし、90%引きなどという採算度外視の手段で集めた顧客が、正規の価格になったときに再訪するか――大木氏が言うように「行かないだろうな」と筆者は思う。

 飲食業界は、2011年も厳しい状況が続くかもしれない。だからこそ、大木氏が指摘するように「自分たちのバリューを見直すときなのかもしれません。どうやって差別化するのか。それは、価格ばかりではない」ことを考えるべきなのかもしれない。

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