リーダーシップと実現力 今の日本にあるべきリーダー像
特集
» 2011年01月21日 13時30分 公開

“あるべき論”からの卒業――企業進化の体現者に学ぶリーダーシップと実現力(2/2 ページ)

[國谷武史,ITmedia]
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行動で見えてくるもの

 日本データカードが目指す変革とは、同社が数十年後もリーダー企業であり続けるために、カード発行機ビジネスと並ぶ新たなビジネスを確立することである。だが、企業投資が冷え込む国内市場においては、今までのビジネスを継続することも容易ではない。

 土田氏は、「金融や流通では、個人信用に必要なインフラが大きく変化している。発行機の“箱売り”だけではいずれ縮小するので、縮小する分を補い、成長の原動力になるビジネスを作らなければならない」と話す。そこで、カード発行機ビジネスで培ったノウハウをソリューションビジネスとして展開する方針を打ち出した。

 具体的には、カード発行機の要であるセキュリティ技術をベースに、個人信用のビジネスに必要なノウハウを提供するというものである。また、カードの「即時発行ソリューション」というものも開発した。例えばクレジットカードの発行には申請者の信用調査などが伴う。従来は申請が一定規模になった段階でカードを大量に発行するプロセスがとられていたため、カードが申請者の手元に届くまで数週間ほどかかっていた。申請したその場で発行できれば、顧客満足度の向上や後から郵送するといったコストの削減効果が見込めるという。

 着任した当初は、やはり既存ビジネスの維持を重視する意見もあり、変革に必要な行動に全社で取り組めるわけではなかった。土田氏は、変革した先の将来像を社員に提示するだけでなく、時には率先して行動し、時には社員を後押しながら、組織として実行していける環境作りに注力した。

 土田氏は、人間の意識を変えることができるのは自分自身でしかないと語る。変革はリーダーが担うものではなく、参加する全員が自分の意識として担い、行動していくことで実現する。リーダーはメンバーとともに行動していくものだという。

 「大企業であればリーダーは方向を示すことに注力することになるが、当社の規模(2010年4月現在で136人)では、良くも悪くも行動が全員に見えてしまう。方向を示すだけでなく、日々のオペレーションにも参加して一緒に行動していく。自分も経験したが、引っ張ろうと走り回るだけでは、周りはついてこない」


 着任から3年目を迎える今年を土田氏は結果を出す1年と位置付ける。「まだ結果は出ていない。しかし社員の表情を見ていれば、結果を出す自信を持てる」と語った。

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