物流のバンテック、業務アプリケーションの運用・保守を日本HPに委託

バンテックは37種類に上る業務アプリケーションの運用・保守を日本HPに委託し、グローバルビジネスのIT業務の最適化に着手する。

» 2011年03月04日 14時24分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 物流企業のバンテックは、37種類に上る主要な業務アプリケーションの運用・保守を日本ヒューレット・パッカード(日本HP)に委託した。日本HPは3月4日、アプリケーション管理のアウトソーシングサービス「Application Management Service(AMS)」を利用して、バンテックから受託した業務を開始したことを発表した。

 日本HPによると、物流業界ではサービスの高度化や多様化、グローバル化に伴って、リアルタイムの運送状況の確認、トレーサビリティ情報の提供といった物流システムにおけるIT活用の重要性が高まっている。だが、実際にはIT予算の大半が運用や保守業務に費やされており、ITの戦略的に活用にまで割り当てられていないのが現状である。

 バンテックの物流システムは、倉庫管理や通関管理など37種類の業務アプリケーションで構成され、開発ベンダーやプラットフォーム、仕様、運用の歴史がそれぞれに異なる。同社ではこれらのアプリケーションの運用・保守に多数の人員やコストを費やさしていた。そのため、業務効率化とコスト削減によって、戦略的なIT活用をグローバルで実行できる環境の整備が長年の課題であった。

 日本HPでは、バンテックの全ての業務アプリケーションのオペレーション方法や仕様などの情報を棚卸してドキュメント化し、複雑化した物流システムの運用の標準化と透明化を図った。各業務アプリケーションの重要度やリスクなどの可視化も図り、サービスレベルを3階層に分けて、それぞれに運用・保守業務の手順などを整備した。AMSの提供は全世界で行っているが、特に日本のユーザー向けには中国・大連に専用のオフショア拠点があり、日本語での問い合わせにも対応する。

 バンテックでは、日本HPへの業務委託を通じて運用コストの削減を図った。従来の業務担当者の大半を基幹システムやサポートのグローバル展開、また、ITガバナンスの強化といった戦略的な業務に配置し、情報システム部門を付加価値を創造する組織に発展させるとしている。

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