フランス財務省のシステムに不正アクセス、G20関連文書が盗まれる

150台以上のフランス財務省のコンピュータに不正アクセスがあり、G20関連の文書など多数の情報が盗まれたという。

» 2011年03月08日 08時10分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 20カ国・地域(G20)首脳会合議長国を務めるフランスの財務省が、2010年12月から大規模なサイバー攻撃を受けていたことを明らかにした。セキュリティ企業の英Sophosが報道を引用して伝えた。

 それによれば、この攻撃で財務省のコンピュータ150台以上に不正アクセスがあり、G20関連の文書など多数の情報が盗まれた。攻撃側は悪質なトロイの木馬を電子メールで送りつけ、ユーザーをだまして実行させる手口で財務省のコンピュータに侵入したとみられる。感染したコンピュータにはバックドア(裏口)が開かれ、ここを経由して外部から不正アクセスできてしまう状態になっていた。

 現在、事件について捜査が進められているが、フランス政府のコンピュータシステムがこれほどの規模の攻撃を受けたのは初めてだという。

 Sophosは、こうした攻撃が通常、マルウェアに感染させた一般ユーザーのコンピュータを経由して仕掛けられると指摘。世界中のあらゆる国が政治的、商業的、軍事的に優位に立つためにインターネットを使用している中で、攻撃の背後にどんな組織や国が絡んでいるのか突き止めることは困難だとみられる。

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