WebブラウザのハッキングコンペでSafariとIEが破られる

ハッキングコンテスト「Pwn2Own」でセキュリティ研究者がAppleのSafariとMicrosoftのInternet Explorer(IE)のハッキングに成功した。

» 2011年03月11日 08時00分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 セキュリティ企業のTippingPointが主催するハッキングコンテスト「Pwn2Own」が、カナダで開かれている。初日の3月9日、セキュリティ研究者がAppleのWebブラウザSafariとMicrosoftのInternet Explorer(IE)の脆弱性を突いてハッキングすることに成功した。

 TippingPoint担当者などのツイートによると、まずフランスのセキュリティ企業VUPENがSafariのハッキングに成功し、賞品のMacbook Airを獲得した。次いでセキュリティ研究者のスティーブン・フュワー氏が、保護モードをかわしてIEをハッキングした。

 これについてVUPENは、Twitterで「Mac OS X(x64)上のSafariを5秒で破った」「AppleはPwn2Ownの直前にSafari 5.0.4とiOS 4.3をリリースした。これで一部のエクスプロイトは阻止されたが、全てではなかった」と報告した。

 一方、Microsoftセキュリティ対策センターもTwitterで、「Pwn2Ownで使われたIEのエクスプロイトは、社内のセキュリティ研究者が既に調査している」と説明した。なおこの脆弱性は、次期WebブラウザIE 9のリリース候補(RC)には影響しないことを確認したという。IE 9の公式版は3月14日にリリース予定

 Pwn2Ownは、セキュリティカンファレンス「CanSecWest」のイベントの1つとして開かれ、IE、Safari、Mozilla Firefox、Google Chromeの各Webブラウザについて、セキュリティ研究者がハッキングの腕を競っている。Googleは、サンドボックスをかわしてChromeのハッキングに成功した研究者に2万ドルの賞金を贈呈すると表明しているが、現時点でまだChromeは破られていないとみられる。

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