震災で活躍したソーシャルメディアオルタナブログ通信(2/3 ページ)

» 2011年03月18日 16時30分 公開
[森川拓男,ITmedia]

デマによる二次災害を防ぐために

 悪意の有無はさておき、間違った情報を拡散しないためにも、どこかで判断をする必要があると痛感しています。

 拡散希望を拡散しない判断:走れ!プロジェクトマネージャー!


 今回の震災をきっかけに発生した東京電力の原発事故。現在、突発的な大規模停電を防ぐため、計画停電が行われているが、情報の錯綜(さくそう)など混乱が引き起こされている。広屋修一氏「広屋修一の「Webマーケティングの進化は続く」」の行政単位で「計画停電」を確認し周知する仕組みでは、東電ではなく、各行政単位での告知が、一番いいのではないかと記している。筆者も同感だ。実際、地元自治体の公式サイトから、停電などの情報を得ることができた。

 冒頭で述べたように、今回の震災ではTwitterなどのソーシャルメディアが活躍しているが、同時にデマ情報の拡散といった残念なことも発生した。残念ながらこのような状況では常にある事象だが、ソーシャルメディアを通じて従来よりも一気に偽情報が拡散してしまったのが、これまでと異なる点だ。

 佐々木康彦氏「平凡でもフルーツでもなく、、、」の東北地方太平洋沖地震に関して「Twitterで情報を拡散する場合は、非公式RTではなく公式RTで」などでも触れられたように、公式RTを使うように注意も促されている。

 そして、方法はもう1つある。大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」の拡散希望を拡散しない判断にあるように、自分の元に届いた情報を多くに広めないことだ。

 情報の中には、本当に多くの人に知らせる必要があるものもあるかもしれないが、悪意のあるデマかどうかを確認する余裕がない状況下である。大木豊成氏が指摘するように、「公式RTだから発信元がわかりやすいだけのことで、事実かどうかは知る由もない」のだ。一番確かなのは、岩永慎一氏「THE SHOW MUST GO ON」の正しい情報を流通させる唯一の方法は、自分が一次ソースではない情報を自ら一切流さないという解決策しかないにあることだろう。「正確性を担保できない事は自分から言い出すな!人に伝えるな!」と。

被災地では情報インフラが死んでいる

 11/03/11 20時ごろから、ケータイ向け避難所情報のサイトをオープンしています。(中略)ネットに情報は流れているのですがガラケーはあまりに情報が流れていないので、いてもたってもいられなくて作りました。僕が知る限り、地方はスマホ持ってる奴はめちゃくちゃ少ないんです。ガラケーだけがネットの人も多いんです。

 ケータイ用緊急避難情報サイトとAndroidアプリで安否確認アプリをリリース:村上福之の「ネットとケータイと俺様」


 今回の震災では、ソーシャルメディアなど、インターネットを活用した情報の発信が行われている。しかし、ガラケー(携帯電話)への情報は少なかった。そこで、村上福之氏「村上福之の「ネットとケータイと俺様」」のケータイ用緊急避難情報サイトとAndroidアプリで安否確認アプリをリリースでは、地震発生の夜から「ケータイ向け避難所情報のサイトをオープン」したことを発表した。その内容は「各避難所のPCサイトのケータイ変換、停電状況、簡易トイレの作り方などの緊急避難マニュアルなどを提供しています。現在、東北の各都道府県のサーバが落ちているところも多いので、ぼくの方で避難所の情報を手動で集めて、モバイルgoogle mapへのリンクもつけています。(800カ所くらいありますが)」。

 村上氏は、「地方はスマホ持ってる奴はめちゃくちゃ少ないんです。ガラケーだけがネットの人も多い」とのことから、いてもたってもいられなくなったということだが、続く災害情報サイト作っている方々へ:にもあるように、「正直、ガラケーすら見れてない、ネットすら見れてない所も多いと思う。テレビで報道しているような地域は、完全に通信インフラが死んでる」。そして、「今PC向け災害情報サイトを作っていてもアクセスは東京の方が圧倒的に多い」とも指摘。

 こういう事態では、佐々木康彦氏のここしばらく「非通知」「公衆電話」からの着信拒否を解除すべき理由で指摘されたように、一時的に着信拒否を解除しておくのも必要だが、そもそも携帯電話がつながらないケースも多い。震災により基地局が崩壊してしまえば、復旧、もしくは臨時の基地局などができなければ電話がつながるわけはない。

 携帯電話での情報受信状況に関するエントリーも紹介しておこう。

ブロガー ブログ 携帯電話での情報受信状況
一瀬宗也氏 島ナイチャーの沖縄探訪 Twitter/Facebook/Blogの活躍〜東北地方太平洋沖地震
川上暁生氏 ITコンシェルジュの Try ! & Error ? 【地震】携帯メール 自ら受信してみて
北添裕己氏 トラパパ@TORAPAPA 今回の東日本大震災に学ぶ(2): 経験談だけどAUが一番通じた♪けどSoftbankもドコモも混んでて全然ダメ、ただし!スマートフォンの機能は、威力全開でしたね。
佐藤由紀子氏 海外速報部ログ 地震直後の連絡はせめてメールに
谷川耕一氏 むささびの視線 今回の地震で気がついた携帯電話のこと

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