第7回 IT環境の復旧・復興に向けて東北地方太平洋沖地震からの復興 ── リスク管理、危機管理、そして復旧(1/3 ページ)

東北地方太平洋沖地震の危機に直面し、これから事業継続・復旧対応を進める企業の一助になればとITmedia エンタープライズ編集部では危機管理の専門家に連載をお願いした。今回は、ITの事業継続マネジメントについてまとめた。

» 2011年03月23日 08時00分 公開
[戸村智憲,ITmedia]

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 2011年3月11日(金)に発生した東北地方太平洋沖地震において、北海道から関東全域にわたる広範囲で被災された方々のご無事とともに、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

 今回の震災で、ある被災地の防災放送では自らの命を賭した呼び掛けが最期まで続けられた。大津波を避けるため、高台・避難所に逃げるよう呼び掛けた町役場の防災担当職員の声だ。住民の命を守るため、役場の職員が呼び掛け続けた。多くの命が救われたが、やがてその声は大津波のごう音に飲み込まれたという。

最期まで離さなかったマイク

 自らの使命を果たした崇高な対応だった。心から敬意を示したい。願わくば、その職員の命も救われてほしかった。尊い犠牲なしに防災の道はないのだろうか。

 3月11日の大震災時、わたしはビルの最上階にいた。窓から見える隣のビルは、ぐにゃぐにゃと揺れているのが分かった。10日以上たった今でも余震が続いており、テレビを通して何度となく緊急地震速報を聞いているが、震災当日、わたしの携帯電話は緊急地震速報を伝えてくれなかった。

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