第4回 危機対応の3原則と危機管理広報のあり方東北地方太平洋沖地震からの復興 ── リスク管理、危機管理、そして復旧(1/4 ページ)

東北地方太平洋沖地震の危機に直面し、これから事業継続・復旧対応を進める企業の一助になればとITmedia エンタープライズ編集部では危機管理の専門家に連載をお願いした。今回は、震災時に必要となる危機対応と危機管理広報のあり方をまとめた。

» 2011年03月17日 08時00分 公開
[戸村智憲,ITmedia]

「東北地方太平洋沖地震」の関連記事はこちらで読めます。


 2011年3月11日(金)に発生した東北地方太平洋沖地震において、北海道から関東全域にわたる広範囲で被災された方々のご無事とともに、亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈りいたします。

 本原稿を執筆中にも、余震が続いている。わたしも数度、余震の揺れで原稿を書く手を止めた。15日の夜には静岡でも震度6強の地震があった。福島第一原子力発電所でも危機的な状況が続いているが、冷静かつ粛々とした対応が求められる。今回は、震災時に必要となる個人および企業としての危機対応と危機管理広報のあり方をまとめた。

個人レベルの危機対応3原則

 依然として広域で危機状態が続いている中、個人レベルで危機時にどう対応すべきかは、以下の3原則にまとめられる。

  1. まず自分の命を守る
  2. 慌てず周囲の状況を把握する
  3. 危険エリアから安全エリアに退避する

 まず、自分の命を守ることが、危機発生直後に最も必要なことだ。周りの人を助けるにも、命を失っては助けようがない。机の下に身を隠し、落下物を避ける。火気を扱っていたらすぐに消して、火事になるのを避けよう。震度6以上ともなれば立っているのもやっとの状態だ。危険物から移動する際は、四つん這いの方がいいかもしれない。

 次に、慌てて外へ飛び出さず、周囲の状況を確認しよう。慌てて飛び出すとビルの外壁が上から降ってくるかもしれない。コンクリート塀が倒れかかるかもしれない。外が安全とは限らない。もちろん、必ずしも室内が安全とも限らない。ガスが充満しているなら、むやみに換気扇をつけない。スイッチが入ったらその瞬間に火花が起き、引火するかもしれない。ヘルメットや帽子、厚手の布などで頭部を守り、何が自分のすぐ近くで起こっているかを把握しよう。

       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ