デスクトップ仮想化を実際に導入した企業において、事後評価として効果を明確にできているものを尋ねた結果が図8である。
先の設問では「セキュリティの向上(情報漏えい対策など)」が最も多くの企業にメリットとして選択されたが、これを明確に評価できている企業は約4割に留まった。一方、メリットでは3位だった「クライアント環境の運用管理コストの削減」の効果を明確にできている企業は約6割に上った。セキュリティリスクの削減効果は明確に数値化することが難しいため、デスクトップ仮想化を導入してもセキュリティの向上につながらないという結果にはならない点に注意する必要がある。
デスクトップ仮想化の導入で懸念される点を尋ねた結果が図9である。最も多くの企業が挙げたのが「導入コストの増加1【主に仮想化ソフトウェアのライセンスの問題】」で4割弱、次いで「社内ネットワークへの負荷の増加」(35%)、「技術的にまだ発展途上」(33%)、「導入コストの増加2【主に仮想OSのライセンス:Microsoft VDA(Virtual Desktop Access)の問題】(33%)だった。また、「集中管理するサーバ側の障害の影響が大きい」「管理者の知識や経験が不十分(運用管理が本当に簡素化されるのか不安)」「導入コストの増加3【主にストレージやサーバなど関連コストの問題】」でも30%を超える企業が回答した。
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