Google+などのソーシャルサービの登場で役割を終えたとみられるソーシャル検索サービス「Aardvark」や「Google Notebook」、「Sidewiki」なども終了になる。
米Googleは9月2日(現地時間)、“秋の大掃除”と題した公式ブログで、10のサービスの打ち切りを発表した。同社のラリー・ペイジCEOが7月の業績発表の際に説明した主力サービスへのリソース集中の取り組みの一環という。
同社は最近、Google Labs、Google Health、Google PowerMeterのほか、2010年8月に買収した米Slideのほとんどのサービスを打ち切ると発表している。
今回打ち切りが発表されたのは以下の10サービスだ。
Aardvarkは、Googleが2010年2月に買収した同名企業のソーシャル検索サービス。コミュニティー内のユーザー同士が質問/回答する仕組みで、FacebookやMySpaceとも連係する。買収後、同社のチームはAardvarkの運営を続けながら、Google+の開発に関わってきた。同チームは今後も、Google+をはじめとするソーシャル製品の開発に従事する。
同サービスは、9月末に閉鎖する。ユーザーは手作業のコピーあるいはサポートへの依頼で、これまでに投稿したデータを回収できる。9月30日を過ぎると、すべてのデータは削除される。
2004年に登場したGoogle Desktopは、ユーザーがPC内のファイルを検索するためのツールだ。メールや画像、Webページなどを、Web検索と同じように探せる。また、APIを提供しており、多数のサードパーティー製のデスクトップガジェットが公開されている。
Googleは、ユーザーのデータはローカルからクラウドへとシフトしており、また、多くのOSに検索とガジェット機能が統合されたことで、Google Desktopの役割は終わったとし、9月14日に同サービスを終了する。同日、関連API、サービス、プラグイン、ガジェットを含むGoogle Desktopのサポートを打ち切り、ダウンロードもできなくする。インストール済みの機能は、アップデートはないものの、引き続き利用できる。
2009年9月にスタートした、オンラインメディアの記事を高速閲覧できるようにするサービス。New York Timesほか39メディアと提携し、広告収入で運営している。Googleは同サービスを数日中に終了し、ここで採用したアプローチは他のサービスに生かしていくという。
Google MapsをFlashアプリに埋め込むためのActionScript API。このAPIは廃止するが、既存のGoogle Maps API Premier顧客による利用はサポートを継続し、今後はJavaScript Maps API v3に注力していく。
2005年スタートの、Google EarthやPicasaなどのソフトを無料で一括インストールできるサービス。6年前と異なり、現在はほとんどのアプリケーションやサービスがWeb化されており、ダウンロードして利用するアプリへの関心が薄れてきたため終了した。
Googleは2007年に米Postiniを買収した際に獲得したセキュリティ製品をGoogle Web Securityとして企業向けに提供してきたが、多数のセキュリティ機能をGoogle製品に直接統合できたため、提供を終了する。既存顧客のサポートは継続する。
2006年立ち上げの画像を使ったオンラインゲーム。表示される画像に2人1組で制限時間内に可能な限り多くのラベルを付け、他チームとスコアを競う。このゲームで付けられたラベルは、Googleの画像検索の精度向上に利用されてきた。9月16日に終了する。
2006年にスタートしたオンラインメモサービス。Webページの画像やURLをまとめて保存し、共有できる。このサービスは数カ月のうちに終了になり、ユーザーのデータは同じアカウントで利用しているGoogle Docsに自動的にエクスポートされる。
Webページについての評価やコメントを投稿・共有できるGoogleツールバーの機能。Webページにコメントするサービスやソーシャルな機能が多数登場してきたため、終了する。ユーザーはこれまで投稿してきたコンテンツをダウンロードできる。
Google Custom Search APIの機能で、特定のクエリに対して表示する特別な結果スニペットを作成するもの。9月15日の終了までは、開発者は既存データをダウンロードできる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.