世界タブレット市場の第4四半期出荷ランキングで、シェア65.6%の首位Appleに続き、2週間前にKindle Fireを発売したばかりのAmazonが、SamsungやBarnes & Nobleを抜いて2位に躍り出た。
米Amazon.comのタブレット「Kindle Fire」が、世界タブレット市場で米AppleのiPadに次ぐ2位に浮上した――。米調査会社IHS iSuppliは12月2日(現地時間)、世界における第4四半期(10〜12月期)のタブレット市場に関する予測を発表した。
同社によると、同四半期のタブレット出荷台数ランキングでは、iPadを出荷するAppleが1859万8000台の出荷で前四半期に続いて圧倒的な首位(シェアは65.6%)だが、わずか2週間にKindle Fireを出荷したAmazonが出荷台数390万台、シェア13.8%で2位に躍り出た。
順位 | メーカー名 | Q4出荷台数(予測) | Q4シェア(予測、%) | Q3出荷台数 | Q3シェア(%) | 成長率(%) |
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1 | Apple | 18,598 | 65.6 | 11,123 | 69.7 | 67.2 |
2 | Amazon | 3,900 | 13.8 | 0 | 0.0 | - |
3 | Samsung | 1,370 | 4.8 | 1,250 | 7.8 | 9.6 |
4 | Barnes & Noble | 1,320 | 4.7 | 750 | 4.7 | 76.0 |
5 | HTC | 355 | 1.3 | 253 | 1.6 | 40.3 |
その他 | 2,800 | 4.6 | 2852 | 4.3 | 90.0 | |
合計 | 28,343 | 100.0 | 15,958 | 100.0 | 77.6 | |
(資料:IHS iSuppli) |
IHS iSuppliは、2011年のタブレットの総出荷台数は前年比273%増の6470万台になると予測する。同社は8月の時点では6000万台と予測していたが、その後Amazonが9月にKindle Fireを発表した。同社は2015年には総出荷台数が2億8720万台になると予測する。
Kindle Fireの売り上げが市場全体の成長の多くを担うが、同端末の199ドルという戦略的な低価格はAndroidタブレット市場に混乱をもたらしたと同社のアナリスト、ローダ・アレクサンダー氏は指摘する。AmazonはKindle Fireを、同社の主力ビジネスであるオンラインショッピングのためのツールとして位置付けているからこそ原価を割る価格設定が可能だが、ほかのAndroidタブレットメーカーのほとんどはハードウェアの販売のみで収益を上げる必要があるからだ。
アレクサンダー氏は、AppleがAmazonに対抗する戦略としては、次世代のiPadの発売に際して「iPad 2」を値下げすることが考えられるとしている。AppleはスマートフォンのiPhoneでそうした戦略をとっている。
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