ソフォスがエンドポイント保護製品の最新版発表、ネットワーク分野にも進出へ

2011年に独UTMベンダーのAstaroを買収したソフォスは、今後の製品戦略やエンドポイントセキュリティ新製品を発表した。

» 2012年01月18日 18時35分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 ソフォスは1月18日、企業向け統合型エンドポイントセキュリティ製品の最新版「Sophos Endpoint Protection 10」を発表した。併せて、ネットワークセキュリティ市場への参入に関する事業戦略について説明も行った。

 Sophos Endpoint Protection 10は、新たにサーバやPCにインストールされているソフトウェアのパッチ管理機能やWebフィルタリング、HDDの暗号化状況を管理する機能を搭載する。パッチ管理機能では管理者が企業内のPCのOSやアプリケーションにおけるパッチの適用状況を把握し、緊急度に応じて優先的に適用すべきパッチの情報も知ることができる。今回は管理機能のみだが、次期バージョンで強制的にパッチを適用する機能の提供も計画する。

 またWeフィルタリング機能では社員などのWebサイトへのアクセスについて、管理者がアダルトや犯罪など14種類のカテゴリーの中からアクセスを禁止するカテゴリーを指定することで、社員のアクセスを制限できるようになる。HDD暗号化管理機能では端末ごとに暗号化の適用状況を把握できる。

 同社は最新版から製品のライセンス体系を変更する。ラインアップを、新機能を含む全てのセキュリティ機能を利用可能な「Endpoint Protection Enterprise」、従来版の機能に最新版での3つの新機能を選択して追加できる「Endpoint Protection Advance」、セキュリティ機能を簡素化した「Endpoint Protection Basic」の3つにした。100ユーザー環境における1ユーザー当たりの年間利用料は、Enterpriseが9340円、Advanceが5200円に追加する新機能ごとの価格(パッチ管理とWebフィルタリングがそれぞれ1400円、データ保護が3120年)、Basicが2600円となっている。

Sophos Endpoint Protection 10の概要

ネットワークセキュリティに進出

 英Sophosは、2011年7月にUTM(統合脅威管理)のアプライアンスやソフトウェアなどを手掛けドイツのネットワークセキュリティ企業のAstaroを買収。同社は60カ国5万サイトへの納入実績があり、国内でものべ4000台の出荷実績があるという。事業体制の統合をほぼ終え、2012年以降は製品や技術の統合を進めるという。

 Astaro買収についてソフォス 営業・マーケティング本部長 執行役員の牛込秀樹氏は、「セキュリティ脅威の変化や増加、また、ITの利用形態の変化を受けて、当社は統合型のセキュリティ対策が重要だと考えている。ネットワークとエンドポイントを保護するソリューションを提供したい」と説明した。

 今後の展開は、2012年中にUTMのアンチウイルス機能にSophosの検知エンジンを追加し、複数のアンチウイルス検知エンジンを搭載するようにするほか、ネットワークとエンドポイントを一元管理できる管理者用コンソールを提供する予定。また、各種セキュリティ機能をネットワークとエンドポイントに配置・連携することで、ネットワークスループットの向上と強固なセキュリティ対策を両立するようにしていくという。

Astaro製品とSophos製品の統合方針

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