システムの稼働状況を独自に分析して障害発生を事前に予測できるという。米Sprintでは発生の30分前にアラートを出せるようになった。
日本ヒューレット・パッカード(HP)は3月7日、仮想化環境やクラウド環境の障害発生の予測やキャパシティ管理などを可能にする分析ツール製品群「HP Service Intelligence」を発表した。同日から販売を開始している。
HP Service Intelligenceは、障害発生などを予測する「HP Service Health Analyzer」とITリソースの状況をレポートで表示する「HP Service Health Reporter」、キャパシティ管理の「HP Service Health Optimizer」で構成される。
HP Service Health Analyzerは、システムの構成情報や稼働状況などをリアルタイムに集約するデータベース「Run-time Service Model」の情報を基に、「Real-time Anomaly Detection Engine」というエンジンが過去の稼働状態の変化や以前に発生した障害内容などと、現在の状況の相関関係を分析。これにより、障害の発生を事前に予測できるようになった。
障害の発生を未然に防ぐ方法としては、一般的にはシステム管理者が経験則を基にしきい値を設定し、この値を超えるとアラートが発生して対応している。
執行役員 HPソフトウェア事業統括の中川いち朗氏は、「クラウド環境ではシステムの構成やキャパシティが常に変化しているため、人の手で障害発生に備えるのは事実上不可能」と話し、できるだけ自動的に対応できる仕組みが求められているという。HPではITインフラにおけるトラブル発生の原因や対応手法などのノウハウと統計理論を基に、Real-time Anomaly Detection Engineを独自開発した。
同ツール群を先行導入した米通信大手のSprintでは障害発生を平均で30分前に予測できるようになり、プロアクティブな対応がとれるようになった。その結果、システム障害が事業に与える影響を大幅に軽減できたという。
製品価格(税別)はAnalyzerとReporterがそれぞれ800万円(基本50ノード)、Optimizerが480万円(同)。管理対象を追加する場合、AnalyzerとReporterはそれぞれ48万円(50ノード)、Optimizerが80万円となる。
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