デル、PowerEdgeサーバの新シリーズ発表 Xeon E5ファミリーを搭載

12世代目というPowerEdgeの新シリーズは、前シリーズで評価の高い性能や省電力性、運用効率性をさらに進化させたという。

» 2012年03月07日 18時45分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 デルは3月7日、インテルの最新プロセッサXeon E5ファミリーを採用するPowerEdgeサーバの新シリーズを発表、同日から出荷を開始した。前シリーズで評価された高い性能や省電力性、運用管理の効率性を一段と向上させたとしている。

 会見した公共・法人マーケティング本部 サーバ ブランド マネージャーの布谷恒和氏は、「新シリーズは12世代目に当たり、世界17カ国7700社の顧客企業のフィードバックを設計に反映させた。日本でも担当者が5社から直接ヒアリングをして日本としての要求を多数取り入れている」と述べた。

最多出荷が見込まれるR720(左)とR620
小規模オフィス向けのT620。ラックマウントもできる

 新シリーズの特徴としては、DIMMスロット数を従来の1.3〜2倍に増やし、GPUカードも内蔵できるようにした。HDDは2Uで26本、1Uで10本を収納可能。I/Oではキャッシュメモリを従来の2倍の1Gバイトに拡張しつつ、標準のSSDをキャッシュコントローラとしても使用できる「Cachecade I/O アクセラレータ」を搭載。

 また、標準型SSDの3倍の性能を持つPCIe SSDを本体前面から挿入できる構造としている。オンボードNICはモジュラー化され、ユーザーがネットワーク要件に応じて製品を選択したり、変更・拡張したりできるようになっている。

 管理機能では組み込み型コントローラ「iDRAC7 Enterprise」を内蔵し、エージェントレスの管理を実現。パーツの交換を自動認識して従前のファームウェアなどをバックアップでき、E5ファミリーのインテリジェント・パワー・ノード・マネージャーとの連携からサーバ単位での電力管理も可能になった。同社が無償提供する統合型電力管理コンソールを利用すれば、消費電力の監視やパワーキャッピングの適用などを一元的に実施できるという。

 電源モジュールは5種類に共通化された。3種類は交流・直流の変換効率が94%となり、2012年中に提供予定の1種類で96%を実現。全機種で外気冷却も可能になるなど、データセンターでのサーバ電力のコスト削減を図る仕様となった。

 想定される新シリーズの利用シーンとして、コンピューティング&ネットワーキング統括部門 SE部部長の馬場健太郎氏は、高密度の集積能力を生かした仮想デスクトップをはじめとする仮想マシンの効率的な運用、ビッグデータやビジネスインテリジェンス、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)などで要求されるデータの高い性能による分散処理、さらには、企業の地方拠点やSOHOでの利用にも対応すると紹介した。HPC用としては東京大学生産技術研究所 革新的シミュレーション研究センターが同月にも導入する予定だという。

 執行役員の町田栄作氏は、「ビジネスサイドがITに要求する“スピード”“パワー”“効率性”を実現させた製品であり、顧客に最適な形でもって迅速に提供していく」と表明した。

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