「グローバルを意識せよ」「課題に挑もう」――新入社員に贈るトップメッセージ2012年度入社式(1/2 ページ)

新年度のスタートとともに多くのIT企業でも入社式が行われた。震災復興や経済情勢の劇的な変化の中で、IT各社のトップが新社会人に贈ったメッセージを紹介する。

» 2012年04月02日 15時19分 公開
[國谷武史,ITmedia]

富士通 山本正已社長

 市場のグローバル化が進む中で、世界に通用する価値を提供できなければ、海外でビジネスを拡大することはおろか、日本でもプレゼンスを守ることはできない。組織改革などいろいろな取り組みを進めているが、最終的には社員一人ひとりの意識が変わっていく必要がある。皆さんも、心の中に国境を作らず、常に高い視点で、チャレンジしていってほしい。

 1年前の東日本大震災のことを思い出すと、今日の、この入社式を滞りなく迎えられたことに、感謝せずにはいられない。大震災からの復興はこれからが正念場。何より重要なのは、これからの世代を担う皆さんが、希望を持って前を向いて生きていくということだと信じている。大きな夢を持って、ともに未来を切り拓いていただきたい。そして、高い志を持って困難に挑んでいただきたい。

NEC 遠藤信博社長

 私たちが持つICTの力、社会インフラの力は、国境を越えてグローバルに貢献できる領域である。皆さんには常にグローバルな市場を意識して、より大きく貢献できるソリューションを創ることをイメージしてほしい。

 「イノベーションへの情熱」「強い意志」「倫理観」を持って、積極的にチャレンジし、新しい風を起こし、そして、“浮利を追わず”"の精神で仕事にあたっていただきたい。「事業は人、企業は文化」。ビジネスを行うのは「人」であり、積極的なコミュニケーションを通じてお客さまとの強い信頼関係を構築し、世界中のお客さまから愛されるNECグループを一緒に創り上げていこう。

日立製作所 中西宏明社長

 国や地域それぞれのニーズに合った商品、サービスを提供していくことは、日立にとって大きなビジネスチャンスであり、日立に課せられた責任でもある。この事業をグローバル展開するには、日本で販売している商品やサービスそのままでは海外のお客様のニーズに合わない場合が多いという点などの課題がある。

 変化する各国や地域の状況に対応するためには、文化や経済状況を正しく理解し、柔軟に対応していくことが大切。国や地域によって異なる市場環境を正しく理解するためには、日本にいて机の前に座って勉強するだけではなく、現地に行き、言葉を覚え、現地の日立の仲間と一緒に、具体的なセールス活動や提案を行うなどの「挑戦」が必要。皆さんが今抱いているフレッシュな気持ちをグローバルな場で具体的にぶつけることが重要である。「グローバル事業に挑戦する」という決意をぜひ固めてほしい。

日本IBM 橋本孝之社長

 皆さんは日本の社会、将来を担う一員であると同時に全世界43万人のグローバルカンパニーの一員でもある。「自ら変革を続け、その経験をお客様の価値として提供」することがIBMのDNAであり、そのDNAをより強力なものにしているのが、多様性だ。さまざまな国籍、性別、経験、文化的背景などの多様性をもつIBMer(IBM社員)の活躍が、100年にわたるIBMの変革と成長を実現させてきた。

 今日からIBMerになる皆さんには、この変革の中で存在感を発揮する人財となるために、「変化を楽しむこと」「多様性を楽しむこと」「IBMでの生活の中で自己実現を図ること」の3点を心がけてほしい。IBMには、高い問題意識と意欲があれば、誰もが提案しそれを実現できるチャンスがある。成長の機会を自ら創造し、お客様、ひいては世界のさらなる変革の一翼を担う人財となるよう、皆さんの活躍を期待している。

日本HP 小出伸一社長

 皆さんに3つ期待することがある。「働く意味」を考えること、プロフェッショナルになったという意識を持つこと、グローバルなステージで活躍するための明確な目標設定。皆さんが一番に考えなくてはならないのは、お客様から評価されているか、お客様に貢献しているか、喜んでいただいているかということ。これを常に意識して仕事をしてほしい。

 お客様は皆さんを通じてHPを見る。お客様はHPと付き合う前に皆さんと付き合う。HPのブランド、のれんで勝負するのではなく、自身ののれん、看板を創ってほしい。HPでの活躍のステージは世界170カ国に広がっている。30年後、20年後、10年後にどうなっていたいか、将来にわたる高い目標を設定し、そのために今日何をやるか、逆算で考えてみることも重要だ。170カ国の頂点を目指して頑張っていただきたい。

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