「システム監視にオープンソースを活用すべし」と米GroundworkMaker's Voice

20カ国で2万台以上のシステム監視実績があるという、米Groundworkのマーケティング兼事業開発担当副社長が日本進出への意欲を表明した。

» 2012年04月06日 14時31分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 オープンソースベースのシステム監視ソフトウェアを手掛ける米Groundworkが、日本市場での事業展開を強化する方針を明らかにした。同社マーケティング兼事業開発担当バイスプレジデントのデビッド・デニス氏は、「大手ベンダーで固められた年40億ドル規模の運用監視製品市場で、オープンソースによるブレークスルーを目指す」と語る。

 2004年創業のGroundworkは、ネットワーク監視のオープンソースソフトウェア(OSS)のNagiosなど複数のOSSを統合した運用管理製品「Groundwork Monitor」を手掛ける。金融、通信、公共・教育、テクノロジー業界を中心に、世界20カ国の2万台の機器監視に導入されている。

 デニス氏は、2008年の金融危機、また、仮想化やクラウドの普及が追い風となり、Groundwork Monitorのユーザーが2011年の1年間に40%増加したと話す。この市場ではIBMやHP、CA Technologiesなどが伝統的に強いが、各社の半分程度というコストメリットやクラウド環境に対応できる拡張性が人気という。

 特徴的なのがライセンス体系で、監視対象機器が50台以下なら無償利用できる。また50台より多い場合は、サポートを含め1台当たり年間4000〜5000円のサブスクリプションモデルを設定。海外ではクラウド事業者経由によるサービスで、1時間当たり1セントというメニューも提供する。サーバやデータベース、ストレージ、ルータ、スイッチ、ファイアウォールなどの単体の機器からクラウド環境の統合監視にまで対応する。

 「最大ユーザーのVodafoneは8000台の機器をGroundwork Monitorで監視している。オープンソースを懸念する企業もあるが、実績をみれば信頼性に不安がないことを理解できるだろう」とデニス氏。ユーザーの80%は有償版を利用しているという。

 日本市場の事業はパートナー企業の、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリやジー・ダブリュー・ティーが中心となって展開し、日本語版サイトでのトレーニングも提供。ユーザーコミュニティーもある。ジー・ダブリュー・ティー社長の坂本幸男氏は、「特に他業種に比べてサーバ仮想化の取り組みが緩やかだった金融機関からの引き合いが多い。Groundworkと共同でマーケティングとサポートを強化し、実績を重ねたい」と語る。

 「まずは無償版をダウンロードしてほしい。日本市場では2けたペースでユーザーを増やしたい」とデニス氏と述べている。

米Groundworkのデビッド・デニス マーケティング兼事業開発担当バイスプレジデント(左)とジー・ダブリュー・ティーの坂本幸男 代表取締役社長

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