Facebookが警察に提供した殺人容疑者の個人データが明るみに

Facebookがボストン市警察の召喚状を受けて提出した殺人容疑者の個人情報を、71ページに上るPDFとして地元メディアが公開した。

» 2012年04月09日 12時21分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Facebookが2009年4月に要請を受けて警察当局に提出したある殺人容疑者の個人データを、米メディアのBoston Phoenixが4月6日(現地時間)、公開した

 Facebookは、法執行機関による有効な要請があった場合、ユーザーのコンテンツを提出するとヘルプセンターでも明示しているが、どのような情報が警察の手にわたるのかは公表されていない。

 2009年4月15日付でボストン市警察に提出された書類のオリジナルは紙に印刷されたもので、ボストン市警察が公開した。この71ページに上る書類をBoston PhoenixがPDFとして文書共有サービスのissuuにアップロードした。

 この書類は、ボストン市警察がボストン医科大学の学生、フィリップ・マーコフ容疑者を殺人容疑で逮捕した際、警察からの召喚状を受けてFacebookが提出したもの。書類には、マーコフ容疑者本人のFacebookでの全プロフィール、投稿、動画、写真、「友達」リストが含まれる。Boston Phoenixは公開に当たって第三者の名前などは塗りつぶしているが、実際には警察に第三者の名前やFacebookアカウントも提供されたという。

 facebook 写真にはタグ付けされた「友達」の名前も明記されている(右がマーコフ容疑者)

 この事件は、ボストン市内のホテルで女性が射殺されたというもので、逮捕のきっかけは公開された監視カメラの映像に寄せられた情報だったが、Facebookが提出した情報が調査に大きく貢献したという。マーコフ容疑者に前科はなかったが、家宅捜査の結果凶器とみられる拳銃などが見つかり、逮捕された。同容疑者は2010年8月、拘留中の刑務所内で自殺した。

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