専門家が集う「チーム・ビッグデータ」を新設 日本IBM

企業のビッグデータ活用とそれにまつわる課題解決を支援するため、日本IBMは専任組織を立ち上げて、関連ソリューションを提供していく。

» 2012年05月10日 16時34分 公開
[伏見学,ITmedia]

 日本IBMは5月10日、「ビッグデータ」に関する専任組織を立ち上げ、企業のビジネス課題に向けた新たなソリューションを提供すると発表した。

 日本IBMの一事業であるデータ分析専門のコンサルティング部門「BAO(Business Analytics & Optimization)」の中に、横断的な組織「チーム・ビッグデータ」を設立。これは、ソフトウェアやハードウェアを活用して情報基盤全体のグランドデザインなどを行う「データプラットフォームチーム」、「予測型アナリティクスチーム」、業種ごとの事例を活用して顧客のビッグデータ課題を解決する「業種別担当チーム」のメンバーからなる。構成人数は非公開だが、プロジェクトの規模や顧客の状況に応じて伸縮するような部隊だという。

 チーム・ビッグデータでは、「グローバル経営ダッシュボード」「統合リスク管理」「グローバル・サプライチェーン最適化」「カスタマ・インサイト」「情報活用基盤(IMF:Information Management Foundation)」「コンテンツマネジメント(ECM:Enterprise Content Management)」という6つのコアソリューションを持ち、その具体的なパッケージサービスとして、今回、「CFOパフォーマンス・インサイト」と「ネクスト・ベスト・アクション」を提供する。

日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業 ビジネス・アナリティクス&オプティマイゼーション パートナーの松山雅樹氏 日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業 ビジネス・アナリティクス&オプティマイゼーション パートナーの松山雅樹氏

 CFOパフォーマンス・インサイトは、社内のさまざまなデータを基に高度な分析を実施する経営管理ダッシュボード。売り上げ拡大や課題解決のための最適な指標を設定すると、経営情報の可視化や問題点の原因特定などを自動的に行う。ソリューションのシステム基盤として、データマイニングソフトウェア「SPSS」やデータ分析ツール「Cognos」、データウェアハウス(DWH)アプライアンス「Netezza」を活用する。

 ネクスト・ベスト・アクションは、コンタクトセンターの応対履歴や顧客情報、スマートフォンからの情報、ソーシャルメディアへの書き込み情報など、さまざまな消費者の行動データを統合、分析して、それぞれの消費者にあった最適なアクションを自動で導き出すというもの。これまでのマーケティング活動では、商品を購入した消費者に対して次のアクションをとるまでに時間がかかっていたが、ネクスト・ベスト・アクションによって「顧客が商品を購入した瞬間に、次の売り上げにつながる提案ができるようになる」と、日本IBM グローバル・ビジネス・サービス事業 ビジネス・アナリティクス&オプティマイゼーション パートナーの松山雅樹氏は話す。ここでも核となるエンジンはSPSSで、取得した情報に基づき顧客を瞬時に自動分類する。

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