東海道新幹線区間のN700系車内で利用できる無線LANサービスでは5月31日から一部利用を対象に通信帯域が制限される。
東海道新幹線区間(東京〜新大阪)を走行するN700系の車内向けに提供される無線LAN接続サービスで、5月31日の始発から動画視聴やファイルダウンロードなどの通信を対象に帯域制限が実施される。制限時は通信速度が低下するものの、「全く利用できないわけではない」(JR東海広報部)という。
N700系の車内で利用できる無線LANサービスは2009年3月にスタート。車内アクセスポイントから線路上に敷設された「漏えい同軸ケーブル」を経由してインターネットに接続する仕組みで、通信速度は下りが2Mbps、上りが1Mbps(いずれも理論値)。この帯域を16両全体でシェアするが、近隣に別の列車があれば、複数の列車でも一時的にシェアすることになっていた。
JR東海によれば、近年はスマートフォンなどの急激な普及を受けて「インターネットにつながりにくい」といった乗客の声が寄せられるようになっていた。帯域制限の実施はサービス事業者側から提案があり、JR東海で検討を行い、了承したという。
17日現在で帯域制限を行うと表明した事業者はウィルコムやNTTコミュニケーションズ、NTTドコモ。NTT東西やソフトバンクテレコム、UQコミュニケーションズなども実施するとみられる。
無線LANサービスの設備を担当するNTTブロードバンドプラットフォームによると、通常のWebサイト閲覧やメールの送受信、また駅・待合室などでの利用には帯域制限を適用しない。また通信速度の向上など“つながりやすさ”の改善については、「継続的に検討しているものの、現時点で具体的な方法や実施時期のめどはたっていない」という。
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