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» 2012年05月22日 11時30分 公開

オンライン会議は無駄を省くテレワークの日 総括(前)(2/3 ページ)

[米野宏明,ITmedia]

コミュニケーションが効率化した

 コミュニケーションに関する質問の回答を見ると、事前の予想通り、オンライン会議やチャットの頻度が増えました。一方、予想にやや反して電子メールの送受信数が減っているようです。中には劇的に減ったというコメントもいくつか見られました。原因については別途追跡調査が必要ですが、現状のアンケートデータで部門や職種別に分解してみると、BtoCのマーケティング系やバックオフィス系で減りが大きいようです。

 一方BtoBの営業系では相対的にその差が小さいようでした。BtoBのマーケティングである私自身のメールの数を実際にカウントしたところ、(出社した)翌週の月曜日よりも多かったぐらいでした。オンライン会議数は増えましたが、チャットの数も普段とそれほど変わりません。ちなみに私は、本社とのコミュニケーションや社内の他部門からの問い合わせが多く、チャットも普段から多用しています。

 BtoBの営業は固定席を持たないフリーアドレス制で、通常からオフィスにいる時間が短く、タイミングも決まっていません。つまり、普段から近くの席にいない相手との協業が多い人のコミュニケーションスタイルは、テレワークにおいても変化しなかったと推察されます。

テレワークの日のコミュニケーション状況 5段階スケールで増減をヒアリングした。なおこの手のスケールで日本人の多くは1や5を選ばないものなので、それぞれ「そこそこ増えている」「そこそこ減っている」とみなして構わない(はず)

 電子メール数減少の理由の1つとして、次のような現象が起きたのではないかと私は推測しています。主にFace-to-Faceが中心となる社内近隣とのコミュニケーションが、オンライン会議やチャットに移行し、それによって「揮発性の高い口頭での会話を補足するための電子メール」が減ったのではないか、と。もちろん現段階では仮説に過ぎませんので、別途検証は必要です。

 実はフリー回答の中に「オンライン会議の方が普段の会議よりも議事進行の効率がよかった」という意見が複数寄せられました。

 オンライン会議は「場の空気感」を読むのが難しく、その場にいるだけでなんとなく参加した雰囲気になるFace-to-Faceの集合会議と同じようにはいきません。全員に意識的な発言が求められ、発言しない人はその場にいないも同然の扱いになります。「目くばせ」も効きにくいので、発言や投票による明示的な合意形成が必要で、アクションアイテムや責任者もその場で明確になります。しかも、余計な雑談で本題が時間切れになることも少なくなります。これらによって、会議終了後にメールで再度合意形成や確認を取るという無駄な行為が不要になったのではないかと考えています。

 実は、普段から在宅勤務制度を利用しているバックオフィスの従業員が、興味深い経験をしています。この人のチームの定例会議は、その人以外のすべてのメンバーが集まって行われており、予定外のディスカッションや雑談が始まると、オンライン参加者のことをあまり気にしてくれなくなると感じていたそうです。

集合する側にいると目の前にいない相手のことをつい気にしなくなってしまう。しかし全員がオンラインなら、コミュニケーションスタイルもオンラインに適切なものに変わる(画像はイメージです)

 通常の会議では共有資料は用意されていませんし、会話が早口や小声になって聞き取りづらいと、会話についていくことが難しくなっていたそうです。しかし、テレワークの日に行われた定例会議では、共有資料があらかじめ準備され、意見交換を活性化させるために適切なファシリテーションが行われ、非常に快適に会議に参加できたのだそうです。この場合、会議そのものの効率もまた向上したといえるわけです。

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