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» 2012年05月22日 11時30分 公開

オンライン会議は無駄を省くテレワークの日 総括(前)(3/3 ページ)

[米野宏明,ITmedia]
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個人差のある働きやすさ

 次は働きやすさについての回答です。多くの日本マイクロソフト社員にとって、テレワークは「働きやすさ」を全般的に向上する結果となりました。しかし個人の環境によっては、ネガティブな意見も少なからずありました。

働きやすさについての回答 5段階スケールで増減をヒアリングした。この手のスケールで4を超えているのは相当なものであろう。ただし「作業に集中できた」の評価は、実はそれ以外の項目に比べて人によるばらつきがある

 評価する声として最も多かったのは、「時間を有効活用できる」「作業に集中できる」というものでした。オフィスにいればどうしても、同僚や上司から直接的に声を掛けられます。もちろん声の掛けやすさはオフィスに集合する大きなメリットではあるのですが、声を掛けられる側にとってはデメリットとなる場合があります。声を掛けられれば、断るにしても何らかの発言をしなければなりませんので。社内からのコンタクトが多い従業員にはそれが頻繁に起きやすく、業務への集中を妨げられます。

 日本マイクロソフトのテレワーク環境では、声掛けは主にLyncのプレゼンスとチャットを使って行われます。相手をすぐに見つけられますし、話しかける前に相手の状態が分かるため、適切なタイミングと方法で声を掛けられます。プレゼンスが連絡可能状態であっても、まずテキストチャットで「いまちょっといいですか?」と打診するといった習慣も生まれました。本当に集中しているときには、状態を「応答不可」にすれば、特定の相手以外からのチャットの着信をあらかじめ拒否することもできます。

Lync画面 プレゼンスを確認、テキストチャットで軽く打診して、必要があれば音声やビデオ、アプリケーション共有といったリッチなコミュニケーションが可能である。同僚ならばテキストチャットで事足りることがほとんどだが

 評価しない声としては、自宅の作業環境不備を訴えるものも少なからずありました。モニターや椅子などの「設備がオフィスに比べてかなり劣る」、あるいは子供や家族に邪魔されて「集中できない」といったものです。

 中には、「自宅では集中できないので喫茶店をはしごした」人や「オンライン会議のときに声が入るので家族に遊びに出てもらった」という例までありました。前者は、それも1つのワークスタイルであり本人の選択の自由だと思いますが、後者についてはさすがに想定外でした。

 プライベートとの分離を論拠とした自宅勤務に対する否定的な意見を、一般でも耳にすることがあります。しかしこれはあくまで慣習の問題に過ぎません。例えば、私がよく参加しているグローバルなオンライン会議では、子供の声や犬が吠える音が入ってくることが頻繁にあります。でも、その会議の参加者は誰もそんなことを気に留めませんし、よほど大きな音が出たときでも笑いながら突っ込む程度です。私は相手の子供とビデオ越しにあいさつしたこともあります。日本人の感覚として、生活音を相手に聞かせることへの躊躇は理解できるのですが、しかし一度異なる習慣に身を置くと、みなさん自身も同じように気にならなくなるはずです。それに、テレワークが日常になれば、子供も今ほどには相手にしてくれなくなるかもしれません。

 他に評価しない声として、顧客向け印刷物作成の必要性を訴える意見もいくつか見られました。私は、管理も面倒なためできるだけ紙を受け取りたくないと思っているのですが、メモの記入などを理由に印刷物を欲する方は結構います。

 資料を打ち合わせ前後に電子ファイルで提供できればいいのですが、会社によっては大きなサイズのファイルをメールで受信できなかったり、インターネットストレージやUSBメモリーへのアクセスを禁止していたりする場合もあります。まだまだセキュリティマネジメントに対する誤解があるようですが、相手に紙廃絶の強制はできません。

 どうしても印刷が必要な場合は、オンライン印刷サービスを使ってコンビニエンスストアで出力を受け取るなどの方法で対処可能です。しかし、印刷という行為の環境負荷やセキュリティ リスクを考えれば、このような習慣はできるだけなくしていきたいものです。テレワークの普及はそのきっかけになるはずです。


 今回は、テレワークの日のサーベイに寄せられた特徴的意見をご紹介しました。次回はこれらの意見を基に、テレワーク成功の要件や従業員の考え方などについて考察していきます。

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