「いいね!」や「タイムライン」など、多数の“Facebookらしい”サービスを生み出してきた「ハッカソン」について、Facebookのエンジニアが説明している。
“ハッカソン”は、米Facebookの企業文化を象徴するイベントだ。同社は5月18日の株式上場の前夜にもハッカソンを開催し、約500人の従業員が参加した。
同社従業員のペドラム・ケヤニ氏は5月24日(現地時間)、Facebook Engineeringのノートでハッカソンについて説明した。
ハッカソンは、Facebook創業時から自然発生的に実施されている徹夜のプログラミングイベントで、ハッキング(本来の“高い技術を駆使してプログラミングすること”という意味)+マラソンの造語。当初はエンジニアが新しいプロジェクトを立ち上げる際に、自主的に徹夜でプロトタイプを構築していたが、そのうちにハッカソンの主催者がFacebookの他の部署のエンジニアにも協力を呼び掛けて集中してプロトタイプを開発するイベントになっていった。
「いいね!」や「チャット」、最近では「タイムライン」もハッカソンから生まれた機能という。写真ビューアの改良や、新キャンパスの巨大QRコードもハッカソンのたまものだ。
典型的なハッカソンでは、主催者の呼び掛けに応じた参加者が午後7時ごろに一堂に会し、プログラミングを開始する。午後10時には主催者がファストフードの夜食を提供し、翌朝6時くらいまで徹夜で開発を続ける。
こうしたハッカソン主催者は、構築したプロトタイプを社内の「プロトタイプフォーラム」で発表する。プロトタイプフォーラムは、1人2分間で自分のアイデアをプレゼンする社内の公式な場で、ここで支持されれば製品化に入れる。ハッカソンプロジェクトの約6割がこうして製品化されたという。
ケヤニ氏は、「ハッカソンの友愛の精神、生産性、時には狂気に近い熱中が、今日のFacebookを支えている。今後もハッカソンがサービス構築の中心であり続けるはずだ」としている。
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