Googleの“Web OS”、「Chrome OS」がアップデートされた。Google Driveの統合でMicrosoft Office文書などさまざまなファイルを扱えるようになり、スピードも3倍速くなった。
米Googleは5月29日(現地時間)、独自OS「Chrome OS」をアップデートしたと発表した。Google Driveとの連係で、米MicrosoftのOfficeをはじめとするほとんどのフォーマットのファイルを扱えるようになった。
Chrome OSは、Googleが2009年7月に発表したオープンソースの独自OS。OS以外のアプリケーションやファイルをすべてクラウド上に置くことで、高速起動や高度なセキュリティを実現するとしていた。2011年に韓国Samsung Electronicsと台湾のAcerが同OS搭載ノートPC「Chromebook」を発売したが、売り上げは順調とは言えず、同年11月には大幅に値下げしている。
OSのアップデートと同時に、ハードウェアパートナーのSamsungが新OS搭載のChromebookの新モデルと、初のデスクトップPC「Chromebox」を発売した。
今回の主なアップデート内容は以下の通り。
Intel Coreプロセッサ搭載の新モデルでは、従来モデルの3倍速くなったという(従来モデルはIntel Atom搭載)。GPUによるハードウェアアクセラレーションをサポートし、マルチタッチのトラックパッド機能を新たに構築したことで、操作性やレスポンスが向上した。新モデルの起動時間は7秒以下。
Google DriveがFile Managerとシームレスに統合され、Microsoft Officeをはじめとするほとんどのフォーマットのファイルを扱えるようになった。数週間後に可能になるGoogle Docsのオフラインサポートにより、ネットに接続しなくてもドキュメントの編集ができるようになる。
デスクトップにアプリのショートカットアイコンを置いたり、アプリをウィンドウで開いたりと、従来のOSに近いユーザーインタフェースになった。
Chrome Remote Desktop Betaにより、ChromebookやChromeboxからWindows PCやMacにセキュアにアクセスできるようになった。この機能には動画コーデック「VP8」を採用しており、ほぼリアルタイムでリモートデスクトップを操作できるという。
この他、メディアプレーヤーと写真編集ツールもアップデートされた。Chrome Web StoreのWebアプリはすべて利用できるので、Amazon KindleやAngry Birdsなども楽しめる。
Samsung製の新モデルは同日、米国と英国で発売された。
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