シンクラベンダーのNComputingが日本に本格参入、CitrixのVDIに対応

NComputingはCitrixのHDX技術をハードウェアに採用したシンクライアント端末2モデルを発売。シトリックスとエム・ピー・テクノロジーズがサポートする。

» 2012年07月18日 13時28分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 シンクライアントベンダーの米NComputingは7月18日、日本市場への本格参入を表明した。米Citrix Systemsの配信技術「HDX(High Definition eXperience)」をハードウェアに実装した2種類のシンクライアント端末を投入し、エム・ピー・テクノロジーズが国内販売を行う。

 NComputingは2006年に創業し、カリフォルニア州に本拠を置くベンダー。海外140カ国で仮想化製品やシンクライアントシステムを展開し、約5万社の2000万のユーザーを獲得しているという。

NComputingのラジ・ティングラCEO。ブラックの筐体カラーはN400、シルバーはN500

 日本市場向けに投入する端末は、タスクワーカー向けの「N400」とナレッジワーカー向けの「N500」で、ともに高解像度のレンダリング処理をクライアント側で実行しながら、消費電力が5ワット以下という低消費なのが特徴という。米Citrix Systemsとの提携で、同社のHDXをチップ上に実装した初の製品となり、限られたネットワーク帯域下でも1080プログレッシブのフルHD映像の再生(N500の場合、N400は720対応)や三次元コンピュータグラフィックス画像などのデータをスムーズに表示できるとしている。

 ハードウェアはビデオ処理やHDXなどを独自開発の「Numo3」というチップに統合してしたことで、コストダウンを図った。250ドル以下という製品価格を実現しているという。

シトリックスのユーザーカンファレンスでもNComputingの新端末が披露された

 同社CEOのラジ・ティングラ氏は、日本市場への本格参入について「PC並みの使い勝手でありながら端末価格を3分の1以下にした。高性能シンクライアントシステムはコストが高いというイメージを払しょくし、多くの日本企業がシンクライアント導入に踏み切る契機になりたい」と話す。

 国内の販売およびサポートはエム・ピー・テクノロジーズが担当し、シトリックス・システムズ・ジャパンもデスクトップ仮想化に関する技術面で支援する。シトリックスのXenDesktop(仮想デスクトップソリューション)やVDI-in-a Box(仮想デスクトップ基盤パッケージ)、XenApp(アプリケーション仮想化ソリューション)に対応し、新製品はこれらシステムのシンクライアント端末として最適化されている。

 管理機能としては「vSpace Management Center」というWebベースの独自のツールを提供するが、将来的にシトリックスのツールとも連携させる計画。国内ユーザーへのニーズには、「エム・ピー・テクノロジーズやシトリックス・ジャパンと連携して迅速に応えていきたい」(ティングラ氏)と話している。

変更履歴……販売およびサポート面に関する記述を訂正いたしました。

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