YouTube、顔ぼかし機能を発表 人権保護目的で

YouTubeの動画編集機能として、クリック1つで動画内のすべての顔をぼかす機能が追加された。政治的な内容や未成年が映っている動画での匿名性を高めるのが目的だ。

» 2012年07月19日 08時55分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Google傘下のYouTubeは7月18日(現地時間)、動画内の人物の顔に簡単にぼかしを適用する機能を追加したと発表した。政治的な内容や未成年が映っている動画での匿名性を高め、人権・プライバシーを保護する目的という。

 YouTubeは、一般ユーザーが独裁政権への抗議デモの様子などを世界に公開する手段として利用されることがあるが、そうした動画で個人が識別できるようになっていることは被写体にとって非常に危険なことだ。投稿者がクリック1つで動画内のすべての顔をぼかせるようにすることで、従来より安全にこうした動画を投稿しやすくしたとYouTubeは説明する。

 この機能を利用するには、「動画加工ツール」の「クイック編集」タブで「追加オプション」をクリックし、「すべての顔をぼかす」の「適用」をクリックする。完全に処理できない場合もあるため、プレビューで確認して十分にぼかせなかった場合は非公開にすることを勧めている。また、ぼかしを適用して保存した動画は元に戻せない。

 face 「すべての顔をぼかす」の画面

 Googleは、顔のぼかし処理は人権保護のための一歩だという。匿名性を強化するためには、投稿者はこの他に、公開時期や公開範囲を検討し、声や車のナンバープレートなど、顔以外に個人を特定できる要素が含まれていないかを確認し、投稿手段を選ぶよう勧めている。国によってはSIMカードの購入者を政府が追跡しており、モバイル端末からのアップロードが危険な場合もあるという。

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