デル、サーバ同士とToRをつなぐ40GbE対応ブレードスイッチ発売

ブレードサーバ「Dell PowerEdge 1000」向けの10/40ギガビット対応スイッチとなる。

» 2012年07月26日 14時08分 公開
[ITmedia]
PowerEdge M1000eに装着したForce10 MXL 10/40GbE

 デルは7月26日、ブレードサーバ「Dell PowerEdge M1000e」向けのスイッチ新製品「Dell Force10 MXL 10/40GbE」を発表した。10ギガビットによるサーバ間通信と40ギガビットによるトップ・オブ・ラック・スイッチ(ToR)との通信をM1000eのブレードシャーシ内部で処理できるようにする。

 新製品は、10ギガビットイーサネットポート(GbE)を32ポート備えるほか、前面には40GbE QSFP+、10GbE SFP+、10GBase-Tをサポートする「FlexIO」モジュールを装着できる。最新版OSの「FTOS」ではレイヤ2マルチパス技術や最大6個のスイッチモジュールのスタック化に対応。iSCSIやFCoEのロスレスイーサネットによる「データセンターブリッジング」を実現できるとしている。

 APJ ネットワーキング戦略担当の草薙伸氏は、「仮想マシンのライブマイグレーションやHadoopによるビッグデータ分散処理などのニーズが高まっている。新製品はToRを経由せずにサーバ間通信を行い、ラック間通信を40ギカビットの広帯域にすることで、パフォーマンス向上とケーブルの削減を実現できる」と特徴を説明した。

 同日から販売を開始しており、最小構成での価格は109万3399円(税別)となっている。

ベンダーロックインを回避する

デルの「仮想ネットワークアーキテクチャ」の特徴

 新製品発表と併せ、同社はネットワーク製品事業の戦略も説明。米Dell グローバル・ネットワーキング・セールス担当バイスプレジデントのアームガン・アーマッド氏は、「他社製品は垂直統合型、当社はヘテロジーニアス(異種混在)が特徴であり、特定ベンダーにロックインされない環境を企業顧客に提供したい。VMwareがサーバ仮想化の世界を実現したように、当社はネットワークで仮想化の世界を実現していく」と述べた。

 サーバやストレージなどの製品分野と同様に、ネットワークでもDellは自社開発と買収、OEM(ArubaやBrocadeなど)を組み合わせた製品ポートフォリオの拡充で、拠点LAN向け(PowerConnectシリーズ)からデータセンター(Force10シリーズ)、ネットワークセキュリティ(SonicWALLシリーズ)までをカバーするまでになった。今回発表した新製品も買収したForce10 Networksの技術がベースになっている。

 アーマッド氏は、同社のソリューションが「仮想ネットワークアーキテクチャ」に基づくものと説明。「Dell製品で同士あれば、例えば、Force10のスイッチをEqualLogic のストレージにつなげば直ちにそれを認識してくれるといったメリットがあるが、それに固執するわけでなく、ネットワーク上にCiscoなどの製品があっても、オープンで柔軟性の高い環境を実現していける」という。

 ネットワーク仮想化の点ではOpenFlowやSoftware Defined Networking(SDN)といった技術に取り組むベンダーが増えているが、同社では「まずForce10やPowerConnectの一部でOpenFlowに対応できるようにしたい。製品化の時期などは未定だが、ネットワーク仮想化技術への取り組みも進めている」(アーマッド氏)としている。

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