アドビ、Creative Cloudにモバイル向け電子コンテンツの作成・提供機能を追加

アドビシ ステムズは、クラウドサービスにデジタルコンテンツをノンコーディングでiPad向けに提供できる機能を追加した。

» 2012年09月18日 17時46分 公開
[岡田靖,ITmedia]

 アドビ システムズは9月18日、クラウドサービス「Creative Cloud」のユーザー向けに「Adobe Digital Publishing Suite Single Edition」の提供を開始した。デジタルコンテンツをノンコーディングでiPad向けに配信できるようになる。

 Adobe Digital Publishing Suite(ADPS)は、Adobe InDesign CS5/CS5.5/CS6で制作したデジタルコンテンツを、iPad向けアプリとしてAppStore経由で展開できるようにするもの。ノンコーディングでコンテンツを作成できるのが特徴。「Enterprise Edition」「Professional Edition」「Single Edition」の3種類のエディションがある。

 今回の施策ではフリーランスやSOHO、個人などを主なターゲットとするSingle Editionをアドビストアで単体ライセンスとしても販売し、Creative Cloudのユーザーには追加料金なしで機能を利用できるようにする。単体版では1アプリケーションごとにライセンスの購入が必要となり、AppStoreのアップデート通知対応が1年間に限られていたが、Creative Cloud版ではアプリ作成数が無制限となり、アップデート通知もCreative Cloud契約中はいつでも利用できる。

デジタルコンテンツの作成から配信までワークフローの変化、左は従来のもの。右は新たなフロー

 また同時に、新たにシンプルなワークフローが利用できるなど、ADPSの新機能が追加された。従来のADPSによるワークフローではチームでの制作に重点が置かれ、コンテンツを変換してクラウド上の管理サーバにアップロードし、ビューワアプリを作成する。ダウンロードしてAppStoreへ送るという流れになっていた。これに対し、新たなワークフローでは主に1人での制作を考慮したものになり、かなりの作業をローカル環境のみで実行できるようにしている。

 この日の発表会ではInDesign CS6によって制作したコンテンツをローカルに保存、USB接続したiPadに転送してプレビューした後で、Creative Cloudにサインインしてからモバイルアプリを作成するという一連の流れがデモで紹介された。プレビューまでの作業がオフラインのままで実行できるようになり、クラウドとローカルの間でデータを転送する待ち時間などが短縮されるという。

USB接続したiPadでプレビューする様子のデモ

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