ブルーコートがクラウド新サービス、アプリに応じたセキュリティ対策を提供

ブルーコートシステムズは、場所を問わずPCやiOSデバイスなどの通信を保護するというクラウドサービスを発表した。

» 2012年12月07日 14時47分 公開
[ITmedia]

 ブルーコートシステムズは12月7日、企業向けセキュリティ対策の新サービス「Blue Coat Cloud Service」を発表した。利用場所を問わずPCやiPhone、iPad(iOS5および6をサポート)の通信を保護するというもので、10日から提供を開始する。

 新サービスは、PCやiPhone、iPadにBlue Coat Cloud ServiceのデータセンターにVPN接続を行う設定にすることで利用する。「Webセキュリティサービス」と「モバイルデバイスセキュリティサービス」、「ホステッドレポーティングサービス」の3つのメニューで構成されている。

 会見した米Blue Coat Systems プロダクトマーケティングディレクターのジョン・ユン氏によると、新サービスではユーザーが各デバイスから行う通信をデータセンター経由にすることで、同社のセキュリティ脅威対策サービス「WebPulse」を活用したマルウェア対策や不正サイト接続の遮断などが行えるという。また、アプリケーションに応じたセキュリティポリシーや企業のセキュリティポリシーを適用できる柔軟性の高さも特徴だと説明した。

 後者については、例えばFacebookを利用する場合にPCではWebブラウザ、モバイルではモバイルブラウザや専用アプリを利用するなど形態が異なる。「同じFacebookでもPCからのアクセスなら『www.facebook.com』になり、モバイルでは「m.facebook.com」になるため、PCとモバイルでは異なるアプリとみなすことができる。それぞれに違う脅威があるので、柔軟なポリシーが必要だ」(ユン氏)という。

フィッシングメールを受け取った場合、PCならマウスオーバーで誘導先の不正サイトのURLが分かる場合がある。モバイルではマウスオーバーという概念が無く誘導されてしまう恐れがあるため、同じメールでも利用環境に応じた対策ポリシーが必要という

 また、最近では私物端末を業務利用する「BYOD」が広まりつつあるが、企業のIT管理者の立場では自社のネットワークに私物端末が接続されることでマルウェア侵入などのリスクがもたらされることを嫌う。新サービスはBYODの通信も保護することで端末のセキュリティを確保することでこうした懸念に対処するという。ユーザーの通信環境が地方や海外の拠点、出張先などの場合でも一貫したセキュリティを確保できるとしている。

 Blue Coat Systemsは、Blue Coat Cloud Serviceのデータセンターを世界に10カ所以上構築しており、サービス利用時はユーザーの居場所に近いデータセンターに接続される仕組み。日本では東京にセンターを保有しており、国内利用時でも通信の遅延を気にせずに済むという。

Blue Coat Cloud Serviceの概要

 ユーザーの通信内容(ログ)は任意の期間で消去でき、ログの内容も任意で設定できる。「BYODユーザーのプライベートな通信については監視レベルを下げるなどの対応も取れる」(ユン氏)としている。

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