「元勤務先の情報持ち出しに罪悪感なし、転職先で利用も」――Symantec調査

会社を辞めたり解雇されたりした後も、大半が元勤務先の社外秘情報を持ち続けていることが分かった。

» 2013年02月07日 08時28分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 従業員は転職したり解雇されたりした後も元勤務先の機密情報を持ち続け、多くは転職先で使うことも厭わない――。米Symantecが2月6日に発表した知的財産の扱いに関する意識調査でそんな実態が浮き彫りになった。

 調査はSymantecがPonemon Instituteに委託して、米国、英国、フランス、ブラジル、中国、韓国の6カ国で3317人を対象に2012年10月に実施した。

 それによると、過去1年の間に会社を辞めたり解雇されたりした従業員の半数が元勤務先の社外秘情報を持ち続け、40%は新しい仕事にその情報を使うつもりだと回答した。

 仕事関連の文書を個人のコンピュータやタブレット端末、スマートフォン、ネットのファイル共有アプリケーションなどに転送しても問題ないと考える回答者は62%に上った。大半は、転送したデータを残しておいても害はないと考え、削除していなかった。

 さらに、56%は以前の勤務先から持ち出した情報を使うことが犯罪に当たるとは思わないと回答。44%は「会社のためにソースコードを開発したソフトウェア開発者は、自分の仕事についてある程度の所有権を持つ」と考え、42%は「そのソースコードを許可なく他社のプロジェクトに再利用することが犯罪に当たるとは思わない」との認識を示した。

 こうした実態についてSymantecは、「組織の中で知的財産権の保護に関して従業員に責任感を持たせる環境や文化が形成できていない」と述べ、従業員に対し、機密情報を持ち出すのは悪いことだという認識を徹底させる必要があると指摘している。

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