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» 2013年06月11日 18時55分 公開

日本IBM、オーバーレイの仮想ネットワークを実現するソフト新製品を発表

コンピューティングの新構想「Software Defined Environment」に基づくネットワーク仮想化ソフトウェアを発表した。

[ITmedia]

 日本IBMは6月11日、コンピューティングの新構想「Software Defined Environment」と、これに基づくネットワーク仮想化ソフトウェア新製品の「IBM Software Defined Network for Virtual Environments VMware Edition(SDN VE)」を発表した。

 記者会見した専務執行役員 システム製品事業担当の三瓶雅夫氏によると、Software Defined Environmentは、同社が掲げている「Smarter Computing」ビジョンを実現するための方策となるもので、“アジャイル・効率性・オープン”の3つを実現するという。

 約8000社に上る同社の顧客企業のシステム分析に基づく「トランザクションデータベース」「アナリティクス」「業務アプリケーション」「Web/コラボレーション」の4つの領域のワークロードにおいて、プール化されたITリソースを各ワークロードにとって最適な形で割り当てる。これにより、システム導入の大幅な期間短縮やコスト削減、変更への柔軟性を実現する。また、オープンソースソフトウェアをベースにしたソリューションにより、異種混在システムの容易な連携も可能にするとしている。

Software Defined Environmentのコンセプト

 なお、Software Defined Environmentという言葉は新たに発表されたものだが、既に同社では2012年に発表したシステム製品群のPureSystemsファミリーで、「パターン」と呼ばれる同社の知見に基づくワークロードに応じた最適な環境設定を適用できる仕組みを実装している。三瓶氏によれば、今後はより広範な領域でこの構想に基づく製品を展開していく。

 併せて発表した新製品のSDN VEは、ネットワークをソフトウェアで制御するフレームワークを採用している。既存の物理スイッチによるネットワーク上に集中管理型の仮想ネットワークを構成する「オーバーレイ」型のアプローチでSDNを実現するといい、ビジネスの要求に応じた柔軟なネットワークの構築や設定を可能にする。

 System x事業部ビジネス開発担当の瀧谷貴行氏によれば、SDNの実現ではOpenFlow対応コントローラとスイッチによる「ホップバイホップ」型と、既存のレイヤ2/3スイッチのネットワークに仮想ネットワークを組み合わせる「オーバレイ」型がある。前者はフローベースのきめ細かい制御が可能なものの、専用機器のコストがまだ高い。後者ではきめ細かい制御は苦手だが、既存資産を活用できるメリットがある。

 新製品は、後者のアプローチを取りながらも、上述のSoftware Defined Environmentに基づいて事前設定済みの定義などを活用することにより、従来型アプローチに比べて導入工数を45分の1に、最大仮想ドメイン数を4000倍の1600万ドメイン(製品の初期版では1万6000ドメインまで)を実現できるという。APIやゲートウェイ用モジュールも同梱され、外部のクラウドサービスやIPネットワークとの連携にも対応している。

SDN VEの構成

 新製品の価格は1ソケットあたり2万2100円(税別)で、21日に出荷を開始する。初期版はVMwareのみの対応だが、今後はKVMやHyper-V、PowerVMなどのハイパーバイザーにも対応する予定。また、KVM対応版については同社が参加するオープンソースコミュニティ「OpenDaylight」にも寄贈するという。

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