PRISM告発者のスノーデン氏、WikiLeaksの協力で香港からモスクワへ

米連邦政府による極秘情報収集プログラム「PRISM」を告発した元CIA職員のエドワード・スノーデン氏が、潜伏していた香港から脱出してモスクワ入りした。WikiLeaksのサポートを得て、エクアドルへの亡命を申請した。

» 2013年06月24日 06時45分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 香港特別行政区政府は6月23日(現地時間)、米連邦政府のいわゆる「PRISM」情報を告発した元CIA職員のエドワード・スノーデン氏が、合法的かつ通常の手段で香港を発ち、第三国に向かったと発表した。同政府は米連邦政府に対し、スノーデン氏の出国を通知したという。

 同日、告発サイトのWikiLeaksは、スノーデン氏からのリクエストを受けて、同氏が民主国家に安全に亡命するために、WikiLeaksの法的知識と経験をもって支援していると発表した。同サイトの公式ツイートによると、スノーデン氏は同日、ロシアAeroflot213便でモスクワに到着したという。その後のツイートで、“民主国家”というのがエクアドルであることを示唆している。また、エクアドルの外務大臣、リカルド・パティーニョ氏は自身のTwitterで、エクアドル政府がスノーデン氏から亡命申請を受けたとツイートした。

 snowden

 CBS Newsによると、米連邦政府は14日にスノーデン氏をスパイ行為および政府財産窃盗の疑いで訴追し、22日に香港政府にスノーデン氏の身柄引き渡しを要請した。

 香港政府は発表文で、米連邦政府からスノーデン氏の仮逮捕状の要請があったことを明らかにした。だが、この要請が香港の法律の要件を満たさなかったため、米連邦政府に追加情報を要求していたが情報がそろわず、スノーデン氏の出国を妨げる法的根拠が得られなかったとしている。

 同政府はまた、スノーデン氏がリークした米連邦政府による香港政府のサーバハッキングに関する文書について説明するよう連邦政府に正式に要請したことも発表した。

 WikiLeaksの法務顧問で元スペインの裁判官であるバルタザール・ガルソン氏は発表文で「公共の利益のために告発し、あるいは告発を助けるスノーデン氏とジュリアン・アサンジ氏に対する仕打ちは人民に対する暴力だ」と語った。WikiLeaksの創立者であるアサンジ氏は現在、亡命を求めて英ロンドンのエクアドル大使館に滞在している。

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