iPhone製造のPegarton工場で深刻な労働基準違反──CLWが指摘

労働権利団体のChina Labor Watchは、AppleのiPhoneやiPadの部品などを受託製造する台湾Pegatronの中国工場で深刻な労働基準違反が行われているという報告書を発表した。Appleはこれを受け、すぐに調査するとしている。

» 2013年07月30日 07時48分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米AppleのiPhoneなどの製造を請け負う台湾Pegatron Groupの3つの中国工場で多様な労働基準違反が行われている──。米ニューヨークに拠点を置く労働権利団体のChina Labor Watch(CLW、中国労工観察)が7月29日(現地時間)、調査報告書(PDF)を公開した。

 CLWの報告書によると、これらの工場には労働時間超過や劣悪な労働環境、未成年就労など、多数の問題があり、中国の労働基準法およびAppleが掲げるサプライヤー責任の基準に大幅に違反しているという。「われわれの調査の結果、Pegatronの工場の労働環境は、Foxconnの工場よりも劣悪であることが判明した。Appleは自社の基準を満たしていない。これが、サプライヤーがAppleからの受注を増やすために労働者を虐待することにつながる」とCLWは指摘する。Appleは2013年に入って発注量を増加させたという。

 clw CLWの報告書に掲載されている工場内の写真

 Appleはこの発表を受けてWall Street Journalなどメディア各社に声明文を送り、CLWとは緊密に連絡を取っており、指摘された問題点にはすぐに対応しているが、この報告書は初めて見るものであり、すぐに独自の調査をすると発表した。

 Appleは2012年に公正労働協会(FLA)に加盟し、毎年サプライヤー責任の進捗報告書を公開している。

 この報告書にはまた、iPhone製造工場でプラスチック筐体の低価格iPhoneが製造れていると書かれている(詳細記事)。

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