ビッグデータのテクノロジー・サービス市場は前年比41.9%の大幅増――IDC調べ

IDC Japanは国内のビッグデータテクノロジー/サービス市場予測を発表した。

» 2013年08月26日 17時25分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは8月26日、国内のビッグデータテクノロジー/サービス市場予測を発表した。これによると、2012年の同市場の規模は206億7000万円となった。2013年は前年比41.9%増の293億3000万円に拡大すると予測している。

 IDCではビッグデータテクノロジー/サービス市場について、100テラバイト以上の規模で収集されるデータを有していること、または音声、映像、金融取引情報、センサーなどのハイスピードストリーミングデータを利用していること、もしくは年率60%以上の成長率で生成されるデータであること――のいずれかを条件としたデータソースを利用し、スケーラブルなインフラストラクチャーで解析するデータをビッグデータの定義としている。

 この定義に基づいて創出されるIT市場をビッグデータテクノロジー/サービス市場として、市場規模を算出した。市場規模は、ビッグデータテクノロジーに利用されるサーバ、ストレージ、ネットワークなどで構成されるインフラストラクチャー市場、ソフトウェア市場、サービス市場の各分野を分析。その結果、国内のビッグデータテクノロジー/サービス市場は、2012年から2017年にかけて年間平均成長率37.5%で拡大し、2017年には1015億6000万円になるとした。

 同調査では市場規模のほか、ビッグデータテクノロジー/サービスに対するユーザー需要動向調査を実施している。企業の情報システム部門におけるビッグデータの認知度は74.8%であるものの、一般業務部門における認知度は33.5%と低く、既にビッグデータを提供、または利用していると回答した企業は9.8%にとどまった。ビッグデータテクノロジーの活用を阻害する要因として、「投資対効果を見極めることが難しい」と半数近くのユーザー企業が考えていることが分かった。一方、ビッグデータテクノロジーの利用をまだ行っていない企業においても、自社の業務に参考になる事例の提示や、同業他社で有効な取り組み事例があれば活用を検討すると回答しており、有効な事例の提示がユーザー企業の関心を高めることが明らかとなっている。

 IDCではこの調査結果から、国内のビッグデータテクノロジー/サービス市場は依然立ち上がりの時期にあるが、一部の先行する企業が有効な成功事例を提示することによって、ビッグデータの認知度と重要度の認識が一般市場に波及している段階であるとみている。サーバー リサーチマネージャーの林一彦氏は、「ビッグデータテクノロジーの普及には構造化、非構造化データに関わらず、幅広いアナリティクスリューションを組み合わせて提案していくことが重要である」とコメントしている。

国内ビッグデータテクノロジー/サービス市場 エンドユーザー売上額予測、2011年〜2017年(出典:IDC Japan)

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