年内をめどにコンカーのクラウド型出張・経費管理サービスから楽天トラベルの宿泊情報にアクセスできるようになる。米Concurのスティーブ・シンCEOは、エコシステムによる革新を通じて出張を完璧なものにしたいと話した。
出張をはじめとする企業の経費を統合管理するクラウドサービスのコンカーと楽天トラベルは9月17日、連携機能を共同で開発することを明らかにした。この日、日本語版サービスを開始した「Concur Travel」から年内をめどに楽天トラベルの宿泊情報にアクセスできるようにする。これにより日本企業のニーズにこたえるほか、コンカーの世界1万8000社、約2200万人に上る海外ユーザーの訪日宿泊需要も取り込んでいくという。
Concur Travelは、昨年2月に正式な日本語版サービスが開始したConcur Expenseと組み合わせることで、社員による予約手配から出張申請、出張中の旅程管理、出張後の経費精算に至るまで、出張にまつわる全プロセスを支援する。クラウドサービスらしく、スマートフォンにも対応している。
ワシントン州シアトルに本社を置くConcur Technologiesは、フォーチュン500の企業の6割をユーザーに抱える出張・経費管理サービスのリーダー。都内で行われたプライベートカンファレンスのために来日したスティーブ・シン創業者兼CEOは、「出張というものをユーザー、航空会社やホテル、そして旅行会社らによるエコシステムとして捉え、革新を通じて完璧なものにしたい」と話す。
Concurではパートナーシップを通じ、ローカルのニーズにもしっかりとこたえていくことを特に重視しており、Concur Expenseでは交通系ICカードや「乗換案内」との連携機能を実現している。今後は、国内の航空便や鉄道も手配できるようConcur Travelの連携機能を強化していくという。
「出張・経費管理は、業務改革が及んでいない領域。中でも選択肢が多く、国内出張支出の半分を占めるホテルは費用適正化の余地がある」と話すのは、日本法人の社長を務める三村真宗氏。出張手配の手間を省けるのはもちろんだが、出張の申請から始まる全プロセスを見える化し、出張規定に照らして出張費用を最適化できるのは企業にとっては大きなメリットだ。
コンカーでは今後3年で300社の国内企業がConcur Travelを導入すると見込んでいる。
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