ももクロがブレイクするきっかけになったのはいつだろうか。ホットリンクと東京工業大学高安研究室の共同研究によれば、ネット上での口コミ件数が「指数関数的に増え始めた」のは「2009年7月20日」だったという。
そのころはちょうど、インディーズデビューシングル「ももいろパンチ」の2週間前。「デビューの時に伸びるのはある意味当たり前だが、インディーズデビューの時点ですでに口コミが指数関数的に増え始めていたのは、彼女たちがアイドルとして何か“持っていた”のかも」と吉岡さんは話す。
だが、そんなももクロブームにも陰りの兆候がみられるという。泉さんによると、アイドルグループに関するブログエントリの増加率が前月比5%増を切ると「“人気グループ”とは言えなくなる」データがあるという。「ももクロに関するブログエントリ数はここ数年で増え続けている。ただ最近では伸び率が鈍化し、5%の危険水域に近づきつつある」
AKB48も2009年に「危険水域」に入り、その直後に「AKB総選挙」を実施して回復したという。「もしかすると今が、ももクロにとって“テコ入れ”が必要になるタイミングなのかもしれない」と泉さんは指摘する。
「ももクロは今、初期のコアなファンにものすごくサポートされている。今は、新たなファンの輪を広げるための施策の打ちどころなのかもしれない」(泉さん)
ももクロファン(通称「モノノフ」)の特徴は、特定のメンバーでなくグループ全体を応援するファン(いわゆる“箱推し”)が多いことだという。「AKB48は危険水域に入りかけた時、総選挙によって特定のメンバーのファンを増やして再び関心を高めた。ももクロも、個人推しのファンを増やす施策を行えば今以上にヒットできるのでは」(泉さん)
一方、内山さんは「こうしてソーシャルメディアでデータを見るのは、(AKB48プロデューサーの)秋元康さんが持つ“肌感覚”を得るのと同じこと」と話す。「データを分析すれば、誰でも秋元さんと同じように『このグループ、テコ入れしないとまずいんじゃないか』という肌感覚を得ることができる」(内山さん)
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